11月19日は部分月食(2021年11月)

部分月食中の月の位置 2021年11月19日 東京の星空
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「たいへん深い」部分月食を見てみよう

11月19日の夕方から宵にかけて、全国で部分月食が見られます。

月食は、月が地球の影に入ることによって起こります。地球の影(本影)によって全て隠される「皆既月食」と、一部が隠される「部分月食」があります。今回は部分月食ですが、月の大部分が影の中に入り込みます。

部分月食の始まりは、16時18.4分です。ただし、北海道や東北地方北部を除く地域では、月食の始まりは月が地平線の下にあって見られず、月が欠けた状態で空に昇ってくる月出帯食(げつしゅつたいしょく)となります。今回の月食は、とくに前半で月の高度が低いので、東の空が開けた場所で観察しましょう。

月が最も欠けて見える、食の最大は18時02.9分です。皆既月食の場合には、完全に影の中に入った月が赤黒い色(赤銅色とも呼ばれる)になって見えることが多いのですが、一方で、多くの部分月食では影の部分の色は暗いだけではっきりしません。ただ今回の部分月食では月の大部分が影に入りますので、食の最大の頃には影の部分が色づいて見えるかもしれません。

月はその後、空を昇りながら地球の影から出ていきます。19時47.4分には月が影から離れ、部分月食が終わります。

主な都市における予報は、次の表をご覧ください。

地名月の出(注1)部分月食の始まり食の最大部分月食の終わり
時刻時刻月の高度時刻月の高度時刻月の高度
那覇17時35.6分月は地平線の下18時02.9分
(食分0.978)
5.0度19時47.4分27.1度
福岡17時10.2分9.4度30.3度
京都16時45.3分14.0度34.8度
東京16時27.6分17.3度38.1度
仙台16時17.1分16時18.4分0.0度18.7度38.8度
札幌16時03.0分2.0度19.7度38.5度

※この表にない都市の予報は、暦計算室の「月食各地予報」で調べることができます。

月食についての詳しい説明は、「基礎知識」の「月食とは」をご覧ください。

月が地球の影の中に入り込む程度(影で覆われる月の直径の度合い)を「食分」という数値で表します。その値が大きいほど影の中に月が深く入り込み、1.0以上で皆既月食となります。今回の月食の最大食分は0.978で、これは月の直径の97.8パーセントまで影に入り込むことを意味し、部分月食としてはたいへん大きな値です。食分の値が大きいことをしばしば「深い」と表現し、今回のような月食は「たいへん深い部分月食」と言います。

(注1)ここでの「月の出」は、月の上辺が地平線と一致する時刻を示しています。国立天文台が普段発表している「月の出」(月の中心が地平線と一致する時刻)とは定義が異なります。本文へ戻る

解説動画

今回の部分月食の解説動画です。月食の経過について1分程度で分かりやすく説明しています。

ライブ配信予定

国立天文台では、東京都にある三鷹キャンパスから部分月食のライブ配信を予定しています。
配信日時(予定):2021年11月19日午後4時から午後8時

※天候、機材、ネットワーク等の都合や、新型コロナウイルス感染症の状況により、この配信は予告なく中止・中断・変更をする可能性があります。あらかじめご了承ください。

報道関係の方へ(2021年11月5日追加)

報道機関の方向けに、今回の部分月食に関する情報をまとめた資料を作成しました。お問い合わせの前に、この資料をよくお読みいただけますと助かります。
2021年11月19日 部分月食 解説資料(2021年11月12日改訂)

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