東京の星空・カレンダー・惑星(2020年9月)
概要
9月の明け方、 10月6日の地球との最接近に向けて明るさを増しつつある火星が南西の空に輝いています。これまでは、星空の中を東へ東へと大きく移動していた火星ですが、9月に入るとその動きは小さくなってうお座にとどまり、明るい星が少ない秋の星空に彩りを添えます。6日から7日にかけて、この火星のそばを下弦前の明るい月が通り過ぎていきます。また、宵の南の空では、土星と木星が仲良く並んで輝いています。25日から26日にかけて、この2つの惑星には、上弦を過ぎた月が近づきます。今月は、急激に明るさを増す火星と、宵の空で見やすくなっている木星と土星に注目しましょう。
東京の星空

カレンダー(9月)
2日 | 満月 |
7日 | 白露(太陽黄経165度) |
10日 | 下弦/火星が留 |
12日 | 海王星が衝 |
13日 | 木星が留 |
17日 | 新月 |
19日 | 彼岸の入り |
21日 | 敬老の日 |
22日 | 秋分の日/秋分(太陽黄経180度) |
24日 | 上弦 |
29日 | 土星が留 |
惑星
- 水星
- 日の入り後の西の低空に位置しています。見かけの位置が太陽に近く、観察には適していません。
- 金星
- 日の出前の東の空で明るく輝いています。明るさは、マイナス4.2等からマイナス4.1等。
- 火星
- うお座を東に移動(順行)していますが10日に留となり、以後は西向きの移動(逆行)に転じます。留のころには、星空の中での火星の動きが止まったように見えます。真夜中の南東から南の空に見え、明るさは、マイナス1.8等からマイナス2.5等。
- 木星
- いて座を西に移動(逆行)していますが13日に留となり、以後は東向きの移動(順行)に転じます。留のころには、星空の中での木星の動きが止まったように見えます。宵の南の空に見え、明るさは、マイナス2.6等からマイナス2.4等。
- 土星
- いて座を西に移動(逆行)していますが29日に留となり、以後は東向きの移動(順行)に転じます。留のころには、星空の中での土星の動きが止まったように見えます。宵の南の空に見え、明るさは、0.3等から0.5等。
(参照)暦計算室ウェブサイト:「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。こよみ用語解説の天象の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。
コラム
天文学の現場から

国立天文台助教
地球から見るといて座の方向に、私たちが住む天の川銀河の中心があり、太陽のおよそ400万倍の質量を持つ超巨大ブラックホールが潜んでいます。その周囲には高温の回転ガス円盤があって、電波の強度が大きく変動しています。これを手掛かりに、ブラックホールのすぐ近くのようすを調べることができます。
アルマ望遠鏡の研究成果
