自然科学研究機構 国立天文台

(速報)ネオワイズ彗星が明るい(2020年7月)

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ネオワイズ彗星が見ごろ

2020年3月に発見された新彗星、ネオワイズ彗星(C/2020 F3 (NEOWISE))が7月に見ごろを迎えました。当初の予想よりも少々明るく、7月8日には、明るさは1~2等級で観測されていました。その後はゆっくりと暗くなりながらも、7月中は肉眼でも見える明るさで観測されました(7月18日に約3等級、7月31日現在約5等級)。なお、8月に入るとさらに暗くなり、肉眼では見えなくなると予想されます。適度な設定をした写真撮影では、とくに7月上旬から中旬にかけて、尾を引いた立派な姿がとらえられました。8月以降は、写真でも写りにくくなると予想されます。

ネオワイズ彗星の見え方

彗星は、恒星や惑星とは違い、ぼんやりとした姿で見られます。ネオワイズ彗星は、7月中旬まで、空の暗いところでは肉眼でも淡い尾を引いた姿が見られました。7月下旬には暗くなり、空の暗いところでも肉眼では見えづらくなりました。市街地では、7月中旬までは肉眼または双眼鏡を用いた観察で見えることがありましたが、7月下旬には難しくなりました。

ネオワイズ彗星の見える位置

ネオワイズ彗星は、7月前半には明け方の北東の低い空に見られますが、7月半ばを過ぎると高度が低くなり、見えづらくなります。
7月後半になると、夕方の北西の低い空に見えるようになります。夕方の空では、日を追うごとに地平線からの高度が高くなり、見やすい位置になります。ただし、明るさは徐々に暗くなっていきます。下の位置を参考に、観察してください。

明け方:日の出1時間前(東京)
日付方角地平高度明るさ注1注2尾の方向
7月10日頃北東約8度約2等上側
7月15日頃北東約7度約2等上側
夕方:日の入1時間後(東京)
日付方角地平高度明るさ注1注2尾の方向
7月15日頃北西約9度約2等右上側
7月20日頃北西約20度約3等右上側
7月25日頃西北西約30度約4等上側
7月30日頃西北西約36度約5等上側
8月4日頃西約37度約6等左上側

(参照)暦計算室ウェブサイト今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子とともに、ネオワイズ彗星の位置を表示することができます。

観察のポイント

「明るい彗星」と聞くと、図鑑等に載っているような、明るく、立派な尾を引いた姿を想像するかもしれません。しかし彗星は、肉眼では淡くぼんやりとした光のかたまりのように見える天体で、惑星や星座を形作る星(恒星)のように明るくしっかりとした形には見えません。このため、市街地の空や、薄明中の空では、空の明るさにまぎれてしまい、肉眼ではとても見えづらい状態です。また、薄雲やもやがある空でも、非常に見えづらくなってしまいます。このような場合には、双眼鏡を使うと見つけやすくなりますので、双眼鏡をお持ちの方は、ぜひ使ってみてください。双眼鏡で探すときには、上の表や「今日のほしぞら」(暦計算室)で、彗星の見える方角や地平線からの高度をしっかり確認しましょう。双眼鏡で見つけた後に、肉眼で探すと見えることがあるかもしれません。8月以降は、ネオワイズ彗星が暗くなり、観察には双眼鏡や望遠鏡が必ず必要になると予想されます。

適度な設定をすると、カメラでも撮影が可能です。肉眼で見えない場合でも、写真には写っていることがあります。夜景モードなど、暗いものが写りやすい設定をお試しください(詳しくはカメラのマニュアルをご参照ください)。また三脚を使用すると、ぶれずに撮影することができます。

ネオワイズ彗星の基本情報

ネオワイズ彗星(C/2020 F3 (NEOWISE))は、3月28日(日本時、世界時では3月27日)に赤外線探査衛星「ネオワイズ(NEOWISE : Near-Earth Object Wide-field Infrared Survey Explorer)」により発見されました。7月4日(日本時、世界時では7月3日)に近日点を通過(太陽に最も接近)し、彗星活動のピークを迎えています。軌道は、放物線にごく近い楕円軌道で、次に太陽に近づくのは5000年以上先とみられます。

(参照)基礎知識「彗星」彗星とはどのようなものかを解説しています。

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