3つの小流星群が極大(2019年10月)

流星の写真

流星を見る機会が少し増える

10月には、「10月りゅう座流星群」、「おうし座南流星群」、「オリオン座流星群」の活動(注1)が極大(注2)を迎えます。いずれも毎年たくさんの流星が出現する流星群ではありませんが、流星を見る機会が少しだけ増えることになります。

流星群は、小規模なものも含めると、年間に100以上が活動しています。流星「群」と聞くと流星がたくさん現れるイメージがあるかもしれません。しかし、この場合の「群」は、似た性質を持つ複数の流星がひとつのグループとしてまとめられることを表していて、必ずしも流星が「多い」という意味ではありません。空の暗い場所で観察しても、見える流星の数が1時間あたり1~2個、あるいはそれ以下という流星群も少なくありません。

10月りゅう座流星群を見るには、10月9日の日の入り後、空が暗くなりきった頃から22時頃にかけて観察をするのがよいでしょう。ただ、明るい月が出ているため条件は良くありません。

おうし座南流星群については、極大日を「10月10日」としていますが、実は、極大がいつなのかはあまりはっきりしません。流星の数が目立って増える日があるわけではなく、1時間あたり2個程度と数が少ないながらも1カ月以上にわたって流星の出現が続くためです。そのため、出典によっては極大の日付が1カ月近く違うこともあります。
おうし座南流星群の流星を見るには、極大日にはあまりこだわらず、9月25日頃から10月5日頃までの、いずれも夜半頃の、月が出ていないときを狙って観察をするのがよいでしょう。

オリオン座流星群は、「オリオン座」という星座がたいへん有名なこともあって、注目されることの多い流星群です。また、普段の年は1時間あたりの流星数が5個程度ですが、2006年には突然1時間あたり60個以上の流星が観測されたことでも知られています。
極大は10月22日頃と予想されています。オリオン座流星群の流星を見るには、この日を中心にした4~5日間程度の未明に観察をするのがよいでしょう。

いずれも「流星が見られたら運がいい」くらいの気持ちで夜空を見上げるとよいかもしれません。
この時期に見た流星が、必ずしもすべて、10月りゅう座流星群やおうし座南流星群、オリオン座流星群の流星というわけではありません。他の流星群の流星や、どの流星群にも属さない流星の可能性もあります(注3)

  • (注1) 「流星群が活動する」とは、その流星群に属する流星が出現することをいいます。また、「流星群の活動が活発になる」とは、その流星群に属する流星の数が多くなることです。 本文へ戻る
  • (注2) 流星群の「極大」とは、流星群自体の活動が最も活発になること、またはその時期をいいます。ある場所で見える流星の数には、流星群自体の活動の活発さだけでなく、その場所での放射点の高度や月明かりなども影響します。そのため、極大の日時と、それぞれの場所で多くの流星が見える日時とは、必ずしも一致しません。 本文へ戻る
  • (注3) どの流星群にも属さない流星を「散在流星」と呼びます。ある流星群に属する流星かどうかを区別する方法については、「流星群の観察方法」をご覧ください。 本文へ戻る

参照:

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