月が木星、土星、火星に接近(2018年7月)
星空の様子の変化を楽しもう!
7月の下旬、南東から南西にかけての宵空は、夏の星座たちと、その間で輝く三つの惑星でとてもにぎやかです。最も明るいのが南東の空低いところにある火星で、7月31日の地球への最接近を(注1)目前に控えて、マイナス2.7等から2.8等というひときわ強い輝きを放っています。次に明るいのが南西の空にある木星で、こちらもマイナス2等を超える明るさで、おおいに目立っています。それに比べれば、控えめに輝いているのは三つの惑星の真ん中、南の空の土星です。とはいえ、約0等ですからたやすく見つけることができるでしょう。
7月20日から28日にかけて、20日に上弦を迎える月が徐々に満ちていきながら、この三つの惑星のそばを移動していきます。
まず、20日から21日にかけて、月は木星のそばを通り過ぎていきます。その3日後の24日から25日にかけては、土星の上をかすめていきます。月と土星の見かけの位置がもっとも近づくのは25日の午後3時ごろですので、夜の早い時間ほど近くに見えるでしょう。そして月は、27日から28日にかけて火星のそばを通り過ぎていきます。28日明け方に満月となる月はとてもまぶしく輝いています。しかし、最接近を控えた火星も負けずに輝いていることでしょう。28日にはさらに、未明から明け方にかけて月食が起こります。火星の近くで輝く満月が午前3時過ぎから徐々に欠けていき、日本の多くの場所では沈む直前に皆既食になります。(注2)天文イベント満載の一夜をお楽しみください。
今年7月下旬、宵のうちの南の星空は、日ごとに違った表情が見られます。梅雨明け後は晴れの日が続くことが多いものです。何日か続けて観察して星空の様子の変化を楽しみましょう。
(注1)火星の衝、最接近について詳しくは、特集「火星大接近2018」および基礎知識「火星の接近」をごらんください。 本文へ戻る
(注2)皆既月食については特集「皆既月食(2018年7月28日)」および基礎知識「月食」をご覧ください。 本文へ戻る
参照:暦計算室ウェブサイト
「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。こよみ用語解説の天象の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。