2018年最小の満月・皆既月食(2018年7月)

明け方の皆既月食を観察しよう!
2018年最小の満月
7月28日の満月は、2018年で最も小さく見える満月です。
月は、地球の周りを公転しています。月の軌道は円形ではなく楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。また、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けてわずかに変化するため、月が地球に最も近づく位置(近地点)や、最も遠ざかる位置(遠地点)での距離は、上の図のように毎回異なります。満月における地心距離(地球の中心から月の中心までの距離)は、およそ35万6千キロメートルから40万6千キロメートルの間で変化します。そして、月の見かけの大きさ(視直径)は、地球と月との距離が近いときには大きく、遠いときには小さくなります。最も大きな満月は最も小さな満月に比べて、14パーセント視直径が大きく、30パーセント明るく見えます。
2018年で最も大きな満月は1月2日でした。月は6時49分に近地点を通過し、11時24分に満月となりました。満月の瞬間の地心距離は約35万7千キロメートル、視直径は33分30秒角でした。
2018年で最も小さな満月となる7月28日には、月は7月27日14時44分に遠地点を通過し、28日の5時20分に満月となります。満月の瞬間の地心距離は約40万6千キロメートル、視直径は29分25秒角です。

月を実際の夜空に並べて大きさを比べることはできませんが、上の図のように2018年最大の満月と最小の満月を並べると、大きさの違いがよくわかります。
そして、この今年最小の満月の日には、皆既月食が起こります。月のそばには最接近を目前に控えた火星が明るく輝いています。

明け方の皆既月食を見よう!
7月28日の皆既月食は、1月31日に続いて今年2回目となります。
おおよそ東北地方以西で月の入りの前に皆既食を迎え、月は皆既食のまま沈みます。それ以外の地域では、月は皆既食になる前に沈みます。月は、南西の空で3時24分に欠け始め、4時30分に完全に欠けて皆既食となります。皆既食は、6時14分まで1時間44分も続きますが、日本ではこの時刻よりも早く月が沈むため、皆既食の後の様子は観察することができません。
上の図は、東京での見え方を示しています。
月食の詳しい時刻と日本の主な都市におけるその時の月の高度、さらに月が沈む時刻については、次の通りです。
部分食の始め (3時24.2分) | 皆既食の初め (4時30.0分) | 食の最大 (5時21.7分) | 月の入り時刻 | |
---|---|---|---|---|
札幌 | 8.2度 | みられない | みられない | 4時24分 |
仙台 | 11.3度 | 1.0度 | みられない | 4時38分 |
東京 | 13.6度 | 2.8度 | みられない | 4時49分 |
京都 | 16.5度 | 5.9度 | みられない | 5時7分 |
福岡 | 20.8度 | 10.3度 | 1.4度 | 5時32分 |
那覇 | 27.6度 | 16.3度 | 6.5度 | 5時58分 |
この皆既月食についての詳しい情報は、特集「皆既月食(2018年7月28日)」をご覧ください。月食の起こるしくみや今後の情報については、基礎知識「月食とは」をご覧ください。
参照:暦計算室ウェブサイト
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