TOPIC 04
すばる望遠鏡が探る銀河の世界
すばる望遠鏡は近傍銀河の観測でも活躍した。微光天体分光撮像装置FOCASのファーストライト観測で得られたスターバースト銀河M82の画像は、銀河から噴き出す電離ガス(スーパーウィンド)の様子を、それまでにないシャープさで捉え、その詳細構造を明らかにした。
- [ウェブリリース]銀河から噴出す真紅の光 (M82, NGC 3034)
- [参考文献]Ohyama et al. 2002, PASJ, 54, 891, “Decomposition of the Superwind in M82”

2014年から稼働を始めた超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)は、その広視野と高解像度によって、近傍銀河を取り巻く星の種族と分布を調べることを可能とし、銀河考古学を進展させた。M81、M82、NGC 3077という3つの銀河からなる銀河群を、HSCで広域観測した結果、この近傍銀河群の中を漂う星の年齢と分布が明らかになった。過去の銀河相互作用が銀河進化・銀河間空間進化にいかに影響を及ぼすのかについて、詳しく知るための重要な手がかりを与えたのである。
- [ウェブリリース]超広視野主焦点カメラ HSC で挑む M81 銀河考古学
- [参考文献]Okamoto et al. 2015, ApJ Letters, 809, L1, “A Hyper Suprime-Cam view of the interacting galaxies of the M81 group”
