VLBI (Very Long Baseline Interferometry)とは超長基線電波干渉計の英語略称で、複数の電波望遠鏡の観測データを合成して一つの観測データとして扱う手法です。日本国内の4カ所(岩手県奥州市、鹿児島県薩摩川内市、東京都小笠原村、沖縄県石垣市)に設置した口径20メートルの電波望遠鏡を合成することで、直径2300キロメートルの観測網VERA(VLBI Exploration of Radio Astrometry)を構築し、定常的に観測を行っています。VERAの4基の電波望遠鏡は水沢キャンパスから遠隔で運用され、観測データは水沢キャンパスの相関処理センターで処理されています。
また、東アジア各国とも国際的な観測協力を進め、韓国に設置された3基の電波望遠鏡(KVN: Korean VLBI Network)とVERAを結合した観測網(KaVA: KVN and VERA Array)を定常的に運用しています。さらに中国の上海、ウルムチ、昆明(こんめい)などの局、タイに建設予定の局と連携した東アジアVLBI観測網(EAVN:East Asian VLBI Network)の整備も進めています。このため東アジアVLBI相関センターを日韓共同で韓国天文研究院において運用しており、東アジア地域におけるVLBI観測の中核的な相関センターとして活躍しています。