A プロジェクト

JASMINEプロジェクト

JASMINEプロジェクトとは

ジャスミン(JASMINE)は、天の川銀河の中心付近(中心核領域)にある星々の天球上での位置とその変化を世界でもっとも高い精度で測定する人工衛星(赤外線位置天文観測衛星)です。JAXA宇宙科学研究所(ISAS)の公募型小型計画3号機に選定されており、主鏡口径が36センチメートル程度の望遠鏡と国産の赤外線カメラを用いて、中心核領域の数平方度といった銀河系中心周りの領域を重点的に観測します。打上げは、内閣府宇宙基本計画工程表(令和6年12月版)において2031年度末が打上げ目標となっています。

JASMINEでは、塵に覆われて可視光では観測しにくい中心核領域を見通す赤外線を用いて、0.000025秒角(=1億4千万分の1度角)という高精度で星の年周視差などの位置変化を測定し、可視光観測では困難である、2万6千光年先にある中心核領域にある多くの星までの距離や星が運動する速さを知ることができます。JASMINEによって得られる天の川銀河の中心核領域にある星々のまったく新しい「地図」(星の運動情報も含む)によって、中心核領域の構造探究のみならず天の川銀河全体の生い立ち、ダークマターやブラックホールの探査等、天文学の様々な分野が発展すると期待されます。

さらに、天の川銀河の中心方向の位置天文観測が困難になる夏と冬において、JASMINEは、太陽の5分の1程度の大きさをもつ中期M型星周りの生命居住可能領域にある地球に似た惑星を探査します。恒星の明るさを連続的に測定し、惑星が恒星の前をとおると恒星の明るさが、ほんのすこし暗くなる現象をとらえて(トランジット法)、惑星の存在を明らかにします。

JASMINEの想像図

JASMINE衛星の想像図

天の川銀河の中心核領域探究と系外惑星探査を行うJASMINE衛星の想像図(旧称は小型JASMINE)。望遠鏡の主鏡口径が36センチメートル程度のJAXA宇宙研の公募型小型計画衛星。

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