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宇宙用慣性センサーの高度化プロジェクトを開始—宇宙戦略基金事業SX中核領域発展研究「SX-ARK」に採択

採択認定証を手にする阿久津助教
採択認定証を手にする阿久津助教。(クレジット:国立天文台)

国立天文台が提案した技術開発課題「超高精度慣性計測装置の社会実装に向けた研究開発」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する「宇宙戦略基金事業」の技術開発テーマ「SX中核領域発展研究(SX-ARK)」 領域名「運動と制御に関する課題解決に向けた革新的技術開発領域」(略称:「運動と制御」領域)に採択され、2026年6月24日付でJAXAとの間で契約を締結しました。

「力」または「動き」を検知する「慣性センサー」は、スマートフォンのような身近な機器から人工衛星まで幅広く搭載されている、現代の暮らしの利便性や科学技術を支える基盤技術です。今回採択された技術開発課題では、人工衛星など宇宙機に搭載するための慣性センサーの高度化を目指します。宇宙機の動きをより高精度に計測できるようになると、衛星測位システムの精度向上や、GPSなどに頼らない宇宙機の自律航行技術の発展に寄与できます。また、地球環境のモニタリングなど、喫緊の社会的課題である環境問題の理解や解決にも貢献できます。

国立天文台では、すばる望遠鏡やアルマ望遠鏡のような電磁波での観測装置に加え、重力波の観測を行う望遠鏡KAGRA(かぐら)のための光学・防振装置など、さまざまな最先端装置を開発してきた実績があります。本プロジェクトでは、このように培われた重力波観測に関わる超精密な測定・制御技術を応用し、より高精度な慣性センサーの実現を目指します。

研究代表者の阿久津智忠(あくつ・ともただ)助教は次のようにコメントしています。「このたび本提案を採択していただき、たいへん光栄に思います。光や赤外線、電波などに比べると、重力波での天文観測で培われてきた精密測定・制御技術は、社会的な認知や普及という点ではまだこれからの技術です。今回、そのような技術の一端を社会へ還元する機会をいただいたことに深い感慨を覚えています。世界的な競争が進む分野ではありますが、着実に研究開発を進め、その成果を社会へつなげていきたいと思います」

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