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「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」始動!—宇宙戦略基金事業 SX研究開発拠点に採択—

握手を交わす角南プログラムオフィサーと土居国立天文台長
握手を交わす角南プログラムオフィサーと土居国立天文台長(クレジット:国立天文台)

「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する令和6年度「宇宙戦略基金事業」の「技術開発テーマ:SX研究開発拠点(注)」に採択され、2025年6月19日に国立天文台三鷹キャンパスでキックオフミーティングが行われました。本採択テーマにおけるJAXAの技術開発マネジメント体制から、SX研究開発拠点全体の取りまとめを担当する角南篤(すなみ あつし)プログラムオフィサ―(公益財団法人笹川平和財団 理事長)、JAXA宇宙戦略基金事業部の佐々木宏(ささき ひろし)ゼネラルプロデューサーらが訪問され、国立天文台からは、土居守(どい まもる)国立天文台長、本採択テーマの研究代表者である、平林誠之(ひらばやし まさゆき)先端技術センター長ほかの関係者が参加し、「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」の実施を正式にスタートできるをことを確認しました。

  • (注) JAXAを超える研究成果を創出することにより、我が国の国際競争力を強化するとともに、将来の我が国の宇宙産業・宇宙開発を支える人材の裾野を、非宇宙分野からの参画も含め拡大させ、各実施体制を中核とした拠点化の推進により、宇宙分野における我が国のクラスター(SX 研究開発拠点)を形成しつつ、持続的なイノベーション創出や人材輩出につなげることを目指す。(JAXAプレスリリース より)
先端技術センターを視察するJAXA関係者1
先端技術センターを視察するJAXA関係者2
先端技術センターを視察するJAXA関係者(クレジット:国立天文台)

「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」とは、国立天文台がこれまで地上や宇宙望遠鏡開発で培った技術力・人材を生かし、スタートアップ企業等が行う宇宙技術開発を支援する拠点を構築するものです。国立天文台は、すばる望遠鏡やアルマ望遠鏡をはじめとする世界最先端の観測装置や、太陽観測衛星「ひので」などの人工衛星搭載機器を開発してきた実績を持ち、その開発の中枢を担う先端技術センターは、可視光線から電波にわたる、多様で高度な観測装置の設計から製作・試験までを一貫して実施する物づくりの拠点です。「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」では、企業等が新たに宇宙技術開発に乗り出す際にノウハウと時間を要するシステム検討・設計・試作・試験・評価などに対して、先端技術センターの人員・設備・技術力を基盤に、それらを効率的に実施し最短距離で技術獲得ができるような助言・指導や共同研究を実施するほか、国立天文台が有する最先端の製造・測定装置等を企業等に開放するといった強力な支援を行います。

JAXAと「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」研究代表者等との記念写真
JAXAと「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」研究代表者等との記念写真(クレジット:国立天文台)

国立天文台は、2020年度に産業連携室を設置し、「見えない星を観(み)る技術を社会へ」をスローガンに具体的な取り組みを始めています。「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」では、より積極的に国立天文台の天文観測技術を社会に還元し、日本の国際競争力の強化、新たな宇宙市場の拡大、世界的な社会課題の解決にも貢献することを目指します。

平林誠之 代表研究者のコメント

平林誠之 代表研究者
平林誠之 代表研究者(クレジット:国立天文台)

このたび、宇宙戦略基金「SX研究開発拠点」に私たちの提案を採択いただき、本構想を始動できる運びとなりました。たいへん光栄であり、心より感謝申し上げます。国立天文台でこれまでに蓄積してきた技術や知見を生かし、日本の宇宙産業のさらなる発展に貢献できるよう、尽力してまいります。私自身、かつて民間企業でエンジニアとして衛星搭載機器の開発に携わっていた経験があり、技術開発に伴う苦労や課題の重みを身をもって感じてきました。ささいなことでも構いませんので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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