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188cm反射望遠鏡、初めての一般向け貸し切り共同利用

写真:一般貸し切り利用の様子
©️2020 広大天文研52生・岡山188cm(通称ナナヨン)を楽しもう会

岡山県南西部に位置する浅口市は「天文のまち」。東アジア最大の3.8メートルの口径を持つ、京都大学岡山天文台の「せいめい望遠鏡」があります。晴天率が高いことや大気が安定していることなど、天体観測の好条件を備えたこの地は、古くから数々の天文家が活躍し、天文学のメッカとして知られてきました。まちのシンボルにもなっている、建設当時東洋一の口径を誇った国立天文台(当時は東京天文台)岡山天体物理観測所の188cm反射望遠鏡(通称「ナナヨン」)も、地元の人々に長らく親しまれてきました。

従来、研究者だけが観測に利用できた188cm反射望遠鏡ですが、浅口市、国立天文台、東京工業大学の3者が2018年7月に結んだ協定によって、一般の方も教育、観光を目的とした利用ができるようになりました。これを受けて、188cm反射望遠鏡を貸し切りで利用できる「浅口市一般貸切共同利用事業」が実現しました。「日没から夜明けまでナナヨンをのぞき、天体観測ができるのは天文ファンにはたまらない機会である!」と一番に手を挙げたのは、1970年代から188cm反射望遠鏡とのゆかりがある広島大学天文学研究会OBの皆さんでした。

初の一般貸し切りは、2020年2月22日(土曜日)の午後6時から翌朝午前6時、12名での利用でした。広島大学天文学研究会OBの皆さんは、事前に観測する天体を念入りに選定し、綿密な計画の下で利用に臨まれました。当日は天候にも恵まれ、肉眼での観望や写真撮影などにとても満足されたようで、次の利用も予定しているとのことです。その様子は、『月刊天文ガイド』(誠文堂新光社)の2020年6月号に掲載されています。

浅口市では、貸し切り事業の他に限定観望会も開催しています。こちらは2時間程度の開催時間で、188cm反射望遠鏡での天体観測に加えて、隣接する岡山天文博物館の見学とプラネタリウム観賞も楽しむことができます。天文に興味がある方はぜひ体験していただきたいと考えています。詳細は、岡山県浅口市役所産業振興課(0865-44-9035)までお問い合わせください。

(文:浅口市産業振興課 板谷俊之)

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