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あなたも天文学者! 研究者とともに銀河の謎に挑戦 「GALAXY CRUISE」サイトを公開
宇宙には、数え切れないくらいの銀河があふれています。その形は多種多様。まるい銀河もあれば、渦を巻いている銀河もあります。なぜこんなに多様な形の銀河ができたのでしょうか。この謎を解く鍵を、銀河同士の衝突・合体が握っているかもしれません。あなたも「GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)」で宇宙を巡り、銀河の謎に挑戦しませんか。
すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)を使って、全300夜もの観測を行う大規模な戦略枠プログラム(HSC-SSP)が2014年から続けられています。その広大な宇宙画像に写っている多数の銀河の中には、他の銀河とすれ違ったり衝突したりして、形が大きく変わってしまった「衝突銀河」も多数あります。その形を調べ、さらにそういった衝突銀河がどのくらいあるかを数えることは、銀河の生い立ちをひも解き、その多様性の謎に迫ることにつながります。しかし、すばる望遠鏡が撮った広大な画像には銀河がたくさん写っていて、研究者だけではとても分類しきれないのです。
GALAXY CRUISEは、研究者と市民が一緒に科学的活動を行う「市民天文学」プロジェクトです。市民天文学とは、市民が時には研究者・研究機関と共に行う科学的活動「シチズンサイエンス(citizen science)」の日本語名称として、国立天文台が独自に考案したものです。市民がインターネットを利用して天文学のデータにアクセスし、研究に協力するシチズンサイエンスは、海外では多く進められていますが、日本では本プロジェクトが初めてと言えるでしょう。しかも、すばる望遠鏡が撮った画像では、ほかの望遠鏡による過去の画像に比べて、天体の暗く淡い構造がよく見えており、衝突銀河のより詳細な解析ができると期待されています。
研究者と市民が協力して銀河の謎に挑むGALAXY CRUISEは、大勢の乗組員が一体となって航海するクルーズ船になぞらえています。「市民天文学者」として乗船するためには、まず、トレーニングページでクイズに答えて基礎知識を身につけ、乗船許可証を入手する必要があります。そして、ログイン画面でアカウント登録したら、いよいよ航海の始まりです。次々と画面に映し出される銀河を分類しながら、4つの街と6つの大陸(合わせて10カ所の観測領域)を巡りましょう。途中で街や大陸の「出国スタンプ」を集めたり、「おみやげ」(記念品イラスト)を集めたりすることもできます。このような興味を持続させるための工夫は、本サイト独自のものです。
市民天文学者による分類結果は、研究者によって統計的に解析され、銀河の研究に役立てられます。あなたもGALAXY CRUISEで銀河を巡る旅に出航して、研究者と共に銀河の謎に挑戦しませんか。