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石川氏と秦氏が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

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SOLAR-C準備室の石川遼子助教(左)と水沢VLBI観測所の秦 和弘助教(右)の写真
SOLAR-C準備室の石川遼子助教(左)と水沢VLBI観測所の秦 和弘助教(右)

平成30年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を、国立天文台SOLAR-C準備室の石川遼子(いしかわりょうこ)助教と水沢VLBI観測所の秦 和弘(はだかずひろ)助教が受賞しました。

石川氏は「飛翔体観測装置を駆使した太陽磁場に関する観測的研究」の業績が受賞対象となりました。

太陽物理学で未解決の課題の一つに「彩層・コロナ加熱問題」(注)があり、この解明には太陽磁場の詳しい観測が必要とされています。石川氏は、太陽観測衛星「ひので」による観測から、通常の黒点磁場とは異なる生成起源を持つ「短寿命水平磁場」が太陽の全面に存在することを発見し、この磁場が持つエネルギーがコロナ加熱をまかなうのに十分な量であることを示しました。また、観測ロケットを用いた国際共同実験で、太陽の彩層・遷移層の紫外線域での偏光分光観測を宇宙空間から行うことに成功し、この手法が太陽磁場を測定するための新たな手法として有効であることを改めて示しました。

秦氏は「高解像度電波観測による巨大ブラックホールジェットの研究」の業績が受賞対象となりました。

巨大ブラックホールからのジェットの放射は、銀河サイズを超えて大きく広がる大規模な天体現象です。秦氏は、超長基線電波干渉計(VLBI)を用いて、銀河のブラックホールジェットの詳細な観測研究を行ってきました。特に、M87銀河のブラックホールジェットをこれまでで最も高い分解能で観測することに成功し、ジェットの根元の位置を精密に測定して、ブラックホールの位置と電波で見えるジェットの構造との関係を解明しました。また、ジェットの形状の詳細な観測から、その加速・収束機構を推測することに成功しました。

文部科学大臣表彰 若手科学者賞は、萌芽的研究、独創的視点に立った研究等で、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた若手研究者を表彰するものです。表彰式は、2018年4月17日に文部科学省(東京都千代田区)にて執り行われました。

(注) 太陽の表面は約6000度、その上空の彩層は約1万度、さらに上空にあるコロナは100万度以上の温度である。太陽内部から表面に至るまでに下がった温度が、なぜ上層の彩層やコロナで再び高温になるのか、彩層やコロナはどのような機構で加熱されているのか、という疑問は解決されておらず、これを「彩層・コロナ加熱問題」と呼んでいる。 本文へ戻る

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