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国立天文台講演会開催報告「時空を超えた挑戦:一般相対性理論100周年と重力波天文学」

佐藤勝彦氏による講演。会場は満席、熱心にメモをとりながら講演を聴く姿が印象的。
佐藤勝彦氏による講演。会場は満席、熱心にメモをとりながら講演を聴く姿が印象的。オリジナルサイズ(476KB)

100年前の1915年にアルベルト・アインシュタイン(1879-1955)が発表した「一般相対性理論」から予測される、時空のゆがみが波として伝わる現象「重力波」。人類がいまだに直接検出できずにいるこの重力波を捉えるための検出器「大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)」の建設が、現在進められています。 重力波天文学や一般相対性理論の持つ意味について多くの市民に触れていただくことを目指し、日本重力波コミュニティ(JGWC)は、一般相対性理論発表100年を記念した市民講演会を、全国各地で企画しました。今年度の国立天文台講演会は、この一連の講演会シリーズの一つとして、2015年12月13日(日曜日)に一橋大学一橋講堂(東京都千代田区一ツ橋)にて開催されました。当日は小雨の降るあいにくの天候にもかかわらず、395名の来場者で賑わいました。

講演会は、自然科学研究機構 佐藤勝彦機構長による「アインシュタインの相対性理論と宇宙の創生」、重力波プロジェクト推進室の麻生洋一准教授による「KAGRAで迫る宇宙の謎―重力波天文学」の2本の講演で構成されました。佐藤氏からはアインシュタインの特殊相対性理論、一般相対性理論についての基本的な解説に加えて、現在の理論と観測から描かれている宇宙の姿と、将来の観測計画の概要をお話いただきました。麻生氏からは、重力波とは何か、どのような技術で重力波を捉えるのか、そして、現在建設が進められている重力波望遠鏡KAGRAが目指す成果について、かみくだいた解説をしていただきました。

参加した皆さんはたいへん熱心にメモをとりながら講演に耳を傾け、また質疑応答も活発におこなわれました。難しい印象のテーマでありながらも、皆さんの宇宙への関心の高さが、熱気あふれる会場から伝わる講演会でした。 このような多くの方々の宇宙に対する興味・関心に応えられる講演会を、今後も企画していきたいと思います。

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