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新型の超広視野カメラHyper Suprime-Cam、始動へ
2012年8月28日夜(ハワイ現地時間、以下同じ)、国立天文台が東京大学カブリIPMU等と共同で開発を進めてきた新型の超広視野カメラHyper Suprime-Cam(HSC;ハイパー・シュプリーム・カム)が性能試験観測を開始しました。
HSCとは
HSCは満月9個分の広さの天域を一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラで、高さが3メートル、重さが3トンもの巨大な観測装置です。従来よりすばる望遠鏡に搭載されているSuprime-Cam(シュプリーム・カム)では満月よりやや広い視野を撮影できていましたが、HSCの登場により観測の効率がさらに大きく高まります。
2002年から技術的な検討が始まり、長期にわたる開発期間を経て、2012年7月までに主要な部分の組み上げが完了、8月16日から17日にかけて望遠鏡への搭載作業が行われました。
ダークマター分布の直接探査等の観測へ
今後、試験観測で予定されている性能が達成されているかどうかを確認した後、2013年から本格的な科学観測を始めます。科学観測では、すばる望遠鏡のシャープな星像とHSCの広視野を活かし、重力レンズ効果を用いたダークマター分布の直接探査などの観測が進められる予定です。