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元国立天文台台長 海部氏が国際天文学連合の会長に就任

2012年8月30日に北京で開催された国際天文学連合(IAU)総会で、元国立天文台台長の海部宣男(かいふのりお)さんが新会長に就任することが決まりました。IAU会長を務めるのは、日本人としては古在由秀(こざいよしひで)さん(元国立天文台台長)に続いて2人目です。

新IAU会長の海部さんは、就任決定後のIAU総会デイリーニュース紙「INQUIRIES OF HEAVEN」によるインタビューでIAU活動の最優先課題について次のように語っています。

「IAUの目的は、あらゆる方面で天文学を発展させ、広めることです。具体的には、天文学の研究も教育も、アウトリーチも世界中で広げることが優先事項と考えています。より多くの国が最先端の研究成果に触れることができるようになってきてはいます。しかし、残念ながら、こんなに素晴らしい天文学の成果を発展途上国にいる多くの人々と共有できていません。『国際天文学連合10年戦略:発展途上国のための天文学』は、2009年の第27回IAU総会で採択され、その後の三年間で基盤が作られました。この戦略をさらに推進し、根付かせるために今後三年間は重要です。」

海部さんは、長年にわたってアジアでの共同開発研究を進めてきました。インタビューでは、アジアでの共同プロジェクトの展望についても語っています。

「特にこのグローバル時代では、地域間協力は“キーワード”です。私たちは1990年に東アジアでの天文学共同開発研究を始めました。これまでにも様々な研究会や共同開発研究を成功させています。2005年には東アジア各地域を代表する中核天文台である、中国科学院国家天文台(中国)、自然科学研究機構国立天文台(日本)、韓国天文宇宙科学研究所(韓国)、台湾中央研究院天文及天文物理研究所(台湾)の4機関によって東アジア中核天文台連合(East Asia Core Observatories Association:EACOA)が発足しました。そして、各機関の長が定期的に集まって若手天文学者の交流や国際大型プロジェクトについて意見を交わしています。このような活動がさらに発展し、アジアの天文学をさらに推進したいと考えています。」

海部さんは、2012年から2015年までの三年間、国際天文学連合の会長を務める予定です。

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