自然科学研究機構 国立天文台

初期宇宙で見つかった宇宙網 -銀河とブラックホールに恵みをもたらす宇宙の清流-

研究成果

今回、地球から115億光年離れた宇宙において見つかった「宇宙網」と呼ばれる水素ガスの大規模構造。
今回、地球から115億光年離れた宇宙において見つかった「宇宙網」と呼ばれる水素ガスの大規模構造。青い部分が水素ガス、背景がすばる望遠鏡 Suprime-Cam (シュプリーム・カム)による可視光観測で得られた天体地図。(クレジット:理化学研究所) オリジナルサイズ(1.4MB)

理化学研究所、国立天文台などの国際共同研究チームは、アルマ望遠鏡、すばる望遠鏡、欧州のVLT望遠鏡などを駆使した観測によって、地球から115億光年離れた宇宙において、銀河と銀河をつなぐように淡く帯状に広がった「宇宙網」と呼ばれる水素ガスの大規模構造を初めて発見しました。

宇宙網の観測は、銀河形成モデルを検証し、過去の宇宙における銀河と巨大ブラックホールの形成、進化を解明する上で欠かすことができませんが、宇宙網が放つ光は非常に弱く、これまで観測は困難を極めてきました。今回、研究チームは、みずがめ座の方向にある遠方銀河が群れ集まった領域である原始銀河団「SSA 22」に注目し、X線からミリ波にわたる幅広い波長にわたる多様な観測によって、18個の活発な星形成銀河や巨大ブラックホールが400万光年の範囲で宇宙網に沿って形成されていることを突き止めました。初期宇宙における銀河や巨大ブラックホールの成長の源となったガスの供給機構の解明に大きく貢献すると期待される、重要な成果です。

この研究成果は、米国の科学雑誌『サイエンス』10月4日号の掲載に先立ち、10月3日付のオンライン版に掲載されました。

関連リンク