自然科学研究機構 国立天文台

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活動的な超巨大ブラックホールを取り巻くガスと塵のドーナツ―予言されていた回転ガス雲を初めて観測で確認

研究成果

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河M77の中央部の中心部分をアルマ望遠鏡が観測し、超巨大ブラックホールを取り巻くガスの分布を写し出した図
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河M77の中央部。そのさらに中心部分をアルマ望遠鏡が観測し、超巨大ブラックホールを取り巻くガスの分布を写し出しました。半径約700光年の馬蹄形をしたガス雲と、その中心にある超巨大ブラックホールを包む半径約20光年のコンパクトなガス雲が見えています。アルマ望遠鏡による観測で、このコンパクトなガス雲の回転を初めてはっきりととらえました。アルマ望遠鏡で観測したHCO+分子(ホルミルイオン)の電波を赤色、HCN(シアン化水素)分子の電波を緑色で示しています。 オリジナルサイズ(3.4MB)

今西昌俊氏を代表とする国立天文台及び鹿児島大学からなる研究チームは、アルマ望遠鏡を使って渦巻銀河M77の中心核を観測し、超巨大ブラックホールをドーナツ状に取り巻く半径およそ20光年の分子ガスをとらえました。さらに、この分子ガスがブラックホールを中心に回転している様子を初めて鮮明に明らかにしました。「活動銀河核」と呼ばれる活発な超巨大ブラックホールの周囲に回転するドーナツ状の分子ガスが存在することは古くから提唱されていましたが、これまで直接観測で確かめられたことはありませんでした。今回の発見は、銀河の中心に存在する超巨大ブラックホールの活動と周囲の銀河に与える影響を調べる際の基礎となる重要な成果です。

この研究成果は、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』の2018年2月1日号に掲載されました。(Imanishi et al. “ALMA Reveals an Inhomogeneous Compact Rotating Dense Molecular Torus at the NGC 1068 Nucleus”

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