- 研究成果
ひらかれた太陽物理の新しい扉~真空紫外線による偏光分光観測~

国立天文台の太陽物理学研究者を中心とする国際チームは、太陽観測ロケット実験CLASP(Chromospheric Lyman-Alpha SpectroPolarimeter、クラスプ)を使った紫外線偏光観測によって、太陽上空の構造を調べることに成功しました。
CLASPは日米仏が共同開発した観測装置で、宇宙空間を飛翔する約5分間、太陽表面から数千キロメートルほど上空にある彩層・遷移層からの紫外線の偏光観測を行いました。その結果、太陽の彩層・遷移層が想像以上に複雑な構造をしていること、観測された偏光データの中に磁場の存在を示す偏光成分があることを突き止めました。これらの成果は、彩層・遷移層磁場の測定手段に、紫外線の偏光分光観測という新たな扉を開くものであり、これからの太陽物理学の進展への大きな一歩と言えます。