自然科学研究機構 国立天文台

大量のガスを一気に呑みこむ小さな怪物天体

研究成果

ロシア特別天体物理観測所および京都大学の研究者から成る研究チームは、非常に強いX線を発する謎の天体「超高光度X線源」のうち4天体を国立天文台すばる望遠鏡を用いて観測しました。そして、その4天体すべてが「意外に小さな」ブラックホールである証拠を得ました。

研究チームは、これら4つの天体から大量の高温ガスが噴き出していることを発見したのです。このことは、噴出するガスを上回る非常に大量のガスがブラックホールに向かって一気に流れ込み、非常に強いX線を発していることを示唆します。この成果は、長年の論争の的であった超高光度X線源の正体について重要な知見を与え、さらに、ブラックホールへのガスの「落ち方」や、宇宙初期でのブラックホールの成長過程の理解にもインパクトを与えるものです。

ハッブル宇宙望遠鏡で撮像した、矮小銀河ホルムベルクIIにある超高光度X線源X-1(矢印)の周辺の多色合成画像。おおぐま座の方向、約1100万光年の距離にある。画像の大きさは約1100光年×900光年。赤色は、水素原子からの輝線(Hα)を表している。

この研究成果は、英国の物理学専門誌『ネイチャー・フィジックス』のオンライン版に2015年6月1日付けで掲載されました(Fabrika et al. 2015, "Supercritical accretion discs in ultraluminous X-ray sources and SS 433", Nature Physics, 10.1038/nphys3348)。

詳しくは、大量のガスを一気に呑みこむ小さな怪物天体(すばる望遠鏡)をご覧ください。

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