- 研究成果
新星爆発は宇宙のリチウム合成工場だった
国立天文台、大阪教育大学、名古屋大学、京都産業大学などの研究者からなる研究チームは、2013年8月に現れた新星爆発をすばる望遠鏡で観測し、3番目に軽い元素であるリチウム(Li)(注)がこの新星で大量に生成されていることを突き止めました。リチウムはビッグバン時に生成されるとともに、恒星のなかや新星、超新星、星間空間などさまざまな場所でつくられると推定されており、宇宙における元素の起源や物質進化を探る試金石となる元素ですが、リチウムを生成・放出している天体が直接的に観測されたのは今回が初めてです。新星爆発が現在の宇宙におけるリチウムの主要な起源であることが明らかになったことにより、宇宙の物質進化の理解が大きく進むことが期待されます。
注:リチウムには6Liと7Liの2つの同位体があり、太陽系では7Liが約92パーセントを占めています。この文章ではリチウムは7Liのことをさします。
この研究成果は、2015年2月19日発行の英国の科学雑誌「ネイチャー」に掲載される予定です。
Tajitsu et al. 2015, "Explosive Li production in the classical nova V339 Del (Nova Delphini 2013)", Nature, Volume 518, Number 7539
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