自然科学研究機構 国立天文台

双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻き

研究成果

アルマ望遠鏡を使った観測で、双子の赤ちゃん星のまわりにガスと塵の渦巻きが発見されました。またこの渦巻きのあいだを通って、ガスが赤ちゃん星に向かって落下していく様子も初めて観測されました。宇宙に数多く存在する双子の星の誕生と成長の様子に迫る、重要な観測成果と言えます。

台湾中央研究院天文及天文物理研究所の高桑繁久 副研究員が率いる研究チームは、アルマ望遠鏡を用いておうし座にある生まれたばかりの双子星(原始連星)L1551 NEを観測しました。その結果、ふたつの星を取り囲むガスの円盤(周連星円盤)を発見しました。また研究チームは、スーパーコンピュータ「アテルイ」を使ってこの円盤に含まれるガスの分布や運動をシミュレーションしました。その結果と観測データと比較することで、この円盤は単純な環ではなく、円盤から中心のふたつの星に向かって渦巻き腕が伸びていることがわかりました。さらに円盤からふたつの星に向かってガスが流れ込んでいることもわかりました。これは、原始連星が円盤を揺さぶり、円盤のガスが連星に落下し始めている様子を世界で初めてとらえた成果です。

実際のアルマ望遠鏡観測成果(左)とスーパーコンピュータ「アテルイ」を用いて計算した、原始連星の周囲の円盤(右)
実際のアルマ望遠鏡観測成果(左)とスーパーコンピュータ「アテルイ」を用いて計算した、原始連星の周囲の円盤(右)。特徴がよく一致している。

この観測結果は、2014年11月発行の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されました。
Takakuwa et al. "Angular Momentum Exchange by Gravitational Torques and Infall in the Circumbinary Disk of the Protostellar System L1551 NE"

詳しくは、双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻きをご覧ください。

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