- 研究成果
太ったブラックホールは都会育ち:仮想天文台による“観測”成果
国立天文台の研究者を中心とする研究チームは、より大質量の巨大ブラックホールは、より銀河が密集した領域にあることを明らかにしました。多くの銀河の中心には巨大なブラックホールがあります。銀河中心のブラックホールがどのように重くなっていったのかは、よくわかっていませんでした。本研究成果は、銀河が密集した領域では、銀河の合体が頻繁におこり、巨大ブラックホールの成長を引き起こしていることを示唆します。

研究チームは、中心に巨大ブラックホールをもつ銀河がどのような環境にあるのかを調べました。そのために、世界中にある様々な天文データベースをインターネットによって連携させ、統合的に利用できるようにした「仮想天文台」を活用しました。仮想天文台によって集められた巨大ブラックホールの数は約1万個、巨大ブラックホールをもつ銀河の周辺環境を調べるためには約7千万天体にも及ぶ銀河のデータが利用されました。

今回の研究成果は、天文学専門誌アストロフィジカル・ジャーナル誌(vol.775, article id.43)に掲載されました。
Komiya et al. "A Cross-correlation Analysis of Active Galactic Nuclei and Galaxies Using Virtual Observatory: Dependence on Virial Mass of Supermassive Black Hole"
詳しくは、太ったブラックホールは都会育ち:仮想天文台による"観測"成果(天文データセンター JVOプロジェクト)をご覧ください。