• 研究成果

塵粒にふわりと包まれた惑星誕生の現場

台湾中央研究院や国立天文台の研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された世界最高性能の惑星・円盤探査用赤外線カメラを用いて、おうし座RYと呼ばれる若い星の原始惑星系円盤を観測し、円盤の立体構造の存在を示す赤外線分布の検出に成功しました。

従来考えられていた単純な円盤構造では説明できない可能性があるため、研究チームは、観測結果と数値シミュレーションの結果との詳細な比較を行いました。その結果、この円盤の赤外線分布が、円盤上層部に広がった密度の低い塵の層によるものだということがわかりました。円盤の立体構造がここまで詳細に明らかにされたのは世界で初めてです。このような層のさらなる研究は、太陽系外惑星系の多様性の原因を理解する手がかりになるかもしれないと、研究チームは考えています。

おうし座RYの原始惑星系円盤の想像図。円盤上層部に密度の薄い塵の層が広がっています。この塵の層の向こうに円盤があることがわかるよう、円盤は実際より明るめに描かれています。円盤と垂直方向にのびるジェットは、おうし座RYのような若い星でしばしば観測されるものです (今回の赤外線観測では見えません)。(クレジット:国立天文台)

この成果は、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』の2013年8月1日号に掲載されました。
HIGH-CONTRAST NEAR-INFRARED IMAGING POLARIMETRY OF THE PROTOPLANETARY DISK AROUND RY TAU

詳しくは塵粒にふわりと包まれた惑星誕生の現場(すばる望遠鏡)をご覧ください。

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