• 研究成果

ダストに埋もれた銀河の“人口調査”

京都大学大学院理学研究科の廿日出文洋(はつかで ぶんよう)研究員と太田耕司教授を中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡による観測から、これまでほとんどが正体不明だった宇宙からのミリ波信号のおよそ80パーセントの起源が微小な固体粒子(ダスト)を豊富にもつ銀河だったと明らかにしました。

研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、くじら座の方向にある「すばる/XMM-Newton深探査領域」と呼ばれる領域を観測しました。アルマ望遠鏡の高い感度と空間分解能を生かした観測の結果、これまで見つかっていなかった非常に暗い銀河を15個発見することに成功しました。そしてミリ波帯で従来よりも約10倍暗い天体の個数密度を計測することに成功しました。その個数密度が銀河形成の理論予測とよく一致していることから、今回の観測では、これまで検出できなかった、より一般的な銀河に近い種類の銀河を捉えていると考えられます。研究チームは、アルマ望遠鏡やすばる望遠鏡を使ってより暗い銀河の観測を行うと共に、さらにその正体を探り銀河形成と進化の全体像を明らかにしたいと考えています。

Figure
SXDS領域の観測画像をもとにしたイメージイラスト。ミリ波・サブミリ波望遠鏡では解像度が不足していたために電波を出している天体を特定することができませんでしたが、アルマ望遠鏡による観測によって明瞭に天体を特定することができました。またこれらの天体は可視光では検出されていないため、ダストが豊富に含まれた天体であることが示唆されます。

詳しくは、ダストに埋もれた銀河の”人口調査”をご覧ください。

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