• 研究成果

はぎ取られた銀河ガスの中で誕生・進化した青色超巨星

台湾中央研究院などの研究チームは、すばる望遠鏡などの観測により、銀河が高速で銀河団中に落ち込む際にはぎ取られたガスの「尾」の中に、単独に存在すると思われる青色超巨星を発見しました。

この青色超巨星は、もともとはこのガスの「尾」の中で5000万年以上前に生まれた大質量星(O型星)であったと考えられます。本研究は、私たちの住む天の川銀河でみられる星生成とはまったく異なる環境での星生成の様子について、新たな知見をもたらすものです。

詳しくは、はぎ取られた銀河ガスの中で誕生・進化した青色超巨星(すばる望遠鏡)をご覧ください。

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(上)GALEXによって得られた、おとめ座銀河団に落ちつつあるIC 3418銀河の紫外線画像。この銀河が右上の方向に動くにつれ、若い星々の集合体がその後方に5万光年にもおよぶ長さの細長い尾のように延びて分布しています。矢印で示されたこの固まりの一つが今回発見された青色超巨星です。
(下)すばる望遠鏡で観測されたこの星の可視光スペクトル。スペクトルからは、水素ガスからの明るい輝線が一本検出されました。これは星生成活動に伴うものとしては説明できず、星表面から吹きだすガスの風に由来する輝線であると考えられます。

掲載論文

この論文は、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レター』に掲載されました。
("Discovery of a Possibly Single Blue Supergiant Star in the Intra-Cluster Region of Virgo Cluster of Galaxies" Ohyama and Hota, 2013 The Astrophysical Journal Letters, Vol. 767, L29)

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