• 研究成果

アルマ望遠鏡が書き換える、星のベビーブーム史

カリフォルニア工科大学の研究者を中心とする国際研究チームは、アルマ望遠鏡と南極点望遠鏡を用いた観測から、地球から約120億光年遠方の宇宙で、非常に活発に星を生み出しているスターバースト銀河(爆発的星形成銀河)を26天体発見しました。

これらのスターバースト銀河が星を作るペースは、我々が住む銀河系の星形成のペースの数百倍にも達します。今回発見されたスターバースト銀河のうちの2つは、最も遠いスターバースト銀河で、地球からの距離は約127億光年です。またそのうちの1つの銀河からは、水分子が検出されました。これは、最も遠方での水分子検出となります。

今回の研究結果から、宇宙で星形成が活発に起こったベビーブームの時期は、これまで考えられていたよりも約10億年昔であることがわかりました。

詳しくは、アルマ望遠鏡が書き換える、星のベビーブーム史-重力レンズ越しに見るスターバースト銀河と観測史上最も遠い銀河での水の検出をご覧ください。

5つの遠方銀河について、ハッブル宇宙望遠鏡でとらえた可視光画像とアルマ望遠鏡でとらえた電波画像(赤)を重ね合わせたもの。
5つの遠方銀河について、ハッブル宇宙望遠鏡でとらえた可視光画像とアルマ望遠鏡でとらえた電波画像(赤)を重ね合わせたもの。アルマ望遠鏡の画像では、遠くの銀河が手前の銀河の重力レンズ効果によってゆがんでいることがわかる。
重力レンズの模式図
重力レンズの模式図。遠くにある銀河から出た電波が手前の銀河の重力によって曲げられていることを示している。手前の銀河の重力がレンズのような働きをすることで、アインシュタインリングのような特徴的な構造ができる。

掲載論文

本研究成果は、2013年3月14日発行の英国科学雑誌『ネイチャー』と米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載されます。

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