自然科学研究機構 国立天文台

偏光観測で見えた惑星材料物質の成長

研究成果

神戸大学、兵庫県立大学、国立天文台、埼玉大学などの研究者を中心とする国際研究チームは、すばる望遠鏡を用いた観測から、「おうし座 UX A 星」という恒星をとりまく原始惑星系円盤の姿を直接捉えました。また、円盤中に単純な球形ではない、比較的大きな塵(ちり)粒子が含まれていることも明らかになりました。

原始惑星系円盤中の塵は、もともとは星間空間に存在していた非常に小さなもので、そのサイズは 0.1マイクロメートル程度だったと考えられています。おうし座 UX A 星の円盤に見られる塵は、小さな塵の粒が頻繁に衝突・合体することにより、これほどの大きさまで成長してきたと考えることができます。すなわち、私たちは惑星の材料である塵粒が惑星へ成長する過程の第一歩を目の当たりにしているのかもしれません。

本研究成果は、惑星系の生い立ちを探る上で重要な観測結果になると、研究チームでは期待しています。

この研究成果は、日本天文学会が発行する学術誌『欧文研究報告』に掲載される予定です (Tanii et al. "High-Resolution Near-Infrared Polarimetry of a Circumstellar Disk around UX Tau A", Publications of the Astronomical Observatory of Japan, in press)。

またこの研究は、研究者が所属している機関それぞれの援助に加え、下記の援助を受けています。

  • 日本学術振興会とインド科学技術庁の協力プログラム
  • プリンストン大学のGlobal Collaborative Research Fund
  • 文部科学省 World Premier International Research Center Initiative
  • NFS grant AST-1009203

この観測は、太陽系外惑星と円盤をすばる望遠鏡を用いて探査するSEEDSプロジェクトの一環として行われました。

(左)すばる望遠鏡による近赤外線偏光観測で捉えられた「おうし座 UX A 星」の原始惑星系円盤の姿。半径120天文単位まで広がっている原始惑星系円盤を 0.1 秒角の空間分解能で観測することに成功しました。(右)「おうし座 UX A 星」の原始惑星系円盤の見え方の概念図。捉えられた円盤の(全体としての)形が南北方向(左図では上下方向)にやや延びており、また西側が東側に比べてやや明るいことから、正面に対して東西方向(左図では左右方向)に(西側が私たちに対して近くなるように)傾いた円盤を見ていると考えられます。

詳細

関連リンク