自然科学研究機構 国立天文台

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若い太陽のまわりの惑星誕生現場に見つかった巨大なすきま~複数の惑星が誕生している現場か?~

研究成果

国立天文台、プリンストン大学、神奈川大学、ミシガン大学、工学院大学、オクラホマ大学などの研究者を中心とする国際研究チームは、すばる望遠鏡と世界最高性能の惑星・円盤探査カメラHiCIAOを用いて、PDS 70と呼ばれる太陽くらいの質量を持つ若い天体(年齢約1000万年)の近赤外線観測(波長 1.6マイクロメートル)を行いました。このすばる望遠鏡による観測の結果、PDS 70を取り囲む原始惑星系円盤に、太陽クラスの軽い質量の星としては過去最大級のすきまが存在していることを初めてつきとめました。原始惑星系円盤は惑星が生まれる現場であり、今回鮮明に撮影された巨大なすきまは、生まれたばかりの惑星の重力の影響で作られたと考えられます。しかも、ひとつの惑星では円盤に小さなすきましか作られないため、いくつかの惑星によって作られた可能性があります。今回の観測結果は、円盤のすきまという模様を詳細に撮影することで、太陽に似た若くて軽い恒星の周りに複数の惑星が生まれた可能性を示す、初めての直接観測だと言えます。研究チームは今後、生まれたての惑星を一度に複数発見できるかもしれないと期待しています。

すばる望遠鏡/HiCIAOによるPDS 70を取り囲む原始惑星系円盤の近赤外線観測画像。中心付近は星の強い光の影響によるノイズが大きいため、黒く塗りつぶしています。画像は擬似カラーで着色しています。色は赤外線の強さを表しており、白に近いほど赤外線が強く、黒に近づくほど赤外線が弱いことを示しています。画像から PDS 70を取り囲む円盤に巨大なすきまがあることが分かり、黒っぽい色の場所がすきまに対応します。半径1天文単位あたりにある内側の円盤は、中心星のすぐ近くにあるため画像では見ることができません。

観測的研究成果は、SEEDSプロジェクトの主な研究者の1人である橋本淳さん(国立天文台)ほか54 名の共著者を含む論文として2012年10月10日発行のアストロフィジカル・ジャーナル・レター誌に掲載され、理論的研究成果は、同じくSEEDSプロジェクトの共同研究者であるロビン・ドンさん(プリンストン大学)ほか51名の共著者による論文が 2012年中にアストロフィジカル・ジャーナル誌に掲載される予定です。

  • Hashimoto's "Polarimetric Imaging -- PDS 70: Observations of the Disk"
  • Dong et al 2012 "The Structure -- PDS 70 System"

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