自然科学研究機構 国立天文台

銀河古代都市の建設ラッシュ-現在の楕円銀河が爆発的に生まれ急成長する大集団を発見-

研究成果

国立天文台の林将央(はやし まさお)研究員、児玉忠恭(こだま ただゆき)准教授を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡に搭載された近赤外線多天体撮像分光装置(MOIRCS)を用いた撮像観測によって、110億光年の彼方に、成長期まっただ中の原始銀河団を発見しました。また、この原始銀河団を構成する個々の銀河は、その当時猛烈な勢いで新たな恒星を作っていたことがわかりました。私たちが住む現在の天の川銀河の100倍もの勢いで星形成が進む銀河も数多く見つかりました。現在の宇宙にある銀河団は主に星形成の活動性が弱い楕円銀河の集団ですが、この太古の原始銀河団において、それら現在の楕円銀河が過去に爆発的に生まれ、激しく成長していた現場を突き止めたと考えられます。さらにこの原始銀河団は大小3つの銀河集団から成っていますが、これらはお互いの重力で引き合い、いずれ1つの大きな銀河団へと合体・成長すると考えられます。今回見つかったような形成途上の個々の銀河をさらに詳しく調べることで、銀河団の成長過程だけでなく、銀河団という特有の環境が楕円銀河の形成や進化に及ぼす影響について解明されると期待されます。

この研究成果は、2012年9月20日に発行される米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載される予定です。

原始銀河団で最も銀河が群れている領域の近赤外線擬似カラー画像
原始銀河団で最も銀河が群れている領域の近赤外線擬似カラー画像。緑の円で囲まれた天体がHα輝線を出す銀河。

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