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三鷹・星と宇宙の日2017:冷たい雨に負けない熱気!3000名をこえる来場者に沸いた二日間
毎年恒例の特別公開「三鷹・星と宇宙の日」が、2017年10月13日(金曜日)、14日(土曜日)の2日間、開催されました。研究施設を公開し、普段行っている研究やその成果を紹介した他、天文学を身近に感じていただくため、クイズやVR(仮想現実)体験、さらには謎解きゲームなど趣向を凝らした出し物を用意。その結果、13日のプレ公開は303名、14日の本公開は2,966名、両日とも最高気温が12月並みで時には雨が落ちてくる天候の中、合計3,269名もの方がお越しくださいました。
今年のメインテーマは、「冷たい宇宙・熱い宇宙」でしたが、にぎわう構内はさながら「冷たい雨・熱い来場者」という様相で、天文学への関心の高さがうかがえました。悪天候をものともせず足を運んでくださっただけあって熱心な来場者の方が多く、くいいるように展示をみつめ、終了間際まで研究者が質問攻めになっている場面もありました。湯気のたつような熱気にあふれた二日間、そのようすを少しだけご紹介します。
ある特定のプロジェクトに関することがメインとなるテーマがここ数年続いていましたが、今年は久しぶりに、プロジェクトを横断する大きなテーマで開催。温度という軸に沿って宇宙を見たとき、どんなことがわかってくるのか?これが「冷たい宇宙・熱い宇宙」というテーマに隠された謎かけです。メインの講演会も講演1は「アルマ望遠鏡が見つめる冷たい宇宙」、講演2は「宇宙から観る熱い太陽コロナの姿」と対照的な温度で見た宇宙を語る2本立て。この講演の様子はYoutubeの国立天文台チャンネルでご覧いただけます。
それでは、14日(本公開)当日のようすを、写真とともにご紹介しましょう。
午前10時の開門の様子
今年も各イベントを盛り上げるユニークなキャラクターたちが登場。開門を待つみなさまに一足先にご挨拶しました。
午前10時開門、本公開開始!ちょうど雨が上がったタイミングでいい感じのスタートです。みなさん慣れた様子で受付へ急ぎます。今年は、事前に整理券やミニ講演について情報を入手していた人が多かったのか混乱も見られず、スムーズな開門となりました。
研究活動の紹介
今年はメインの講演会の他にも最新の天文学を語るミニレクチャーやサイエンスカフェが数多く企画され、たくさんのブースで熱心に宇宙が語られました。
国立天文台が取り組む研究を隅から隅までご紹介しようと、研究者も一生懸命です。
お子様向けの企画
もちろん、お子様向けの企画も多数。工作や塗り絵、そしてカードゲームに謎解きゲーム。毎年恒例の銀河探しゲームも忘れちゃいけませんね。楽しく遊びながら宇宙に親しみ学んでいく子供たち。きっとその中には将来の天文学者の卵が……。
注目のVR体験コーナー
そして、昨年あたりから増えてきたのがVR体験できるコーナー。どこから行こうか迷うくらい。チリの高地や太陽表面、宇宙をお散歩できちゃいます。
普段は入れない施設
また、普段は入れない施設の中もどんどん見せてこその特別“公開”。もちろん、ちまたで人気の工場見学さながらに、いろいろな工夫で、そこで行われていることを研究者が自ら解説します。
雨ニモマケズ
そして、「雨ニモマケズ」屋外でがんばった企画もありました。あれ?荒天中止じゃなかったっけ?と思った人多数。
そして、最後にグラウンドに登場したのが直径4メートルの巨大なバルーン。全体テーマ企画として、4つのプロジェクトが参加し、バルーンスクリーンが、時には宇宙、かと思えば惑星、さらには太陽、そして月・衛星へと目まぐるしく様子を変えていきました。残念ながら、ほしぞら広場の天体観望会は中止になりましたが、地上のお月見を来場者・スタッフ共々楽しみました。
最後に
最後に、これは、過去10年の本公開日の来場者数の推移と天候を表したグラフです。今年は、1日中雨が落ちてくる空模様で、ほとんど気温が上がらなかったことがわかります。そんな中、長い時間をかけて各ブースを回ってくださった方々の笑顔に、スタッフ一同、大きな充実感を得ることができました。
そして実は、例年にも増してとても盛りだくさんだった「三鷹・星と宇宙の日2017」。この人数だからこそ、高い満足度を得られた部分もあったのでは?と思います。
この報告を見て、「やっぱり行けばよかった」と思ってくださっているみなさん。ぜひ、来年は足をお運びください。天文学の進歩とともに、特別公開で得られる情報もどんどん変わっていきます。必ず、新しい発見があるはず。
「三鷹・星と宇宙の日2018」で、みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。