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国立天文台・理研講演会 宇宙が物語る物質の起源

お知らせ

  • インターネット中継の情報を追加しました。(2016年5月24日)
  • 定員に達しましたので、申し込みは終了しました。(2016年5月16日 午前10時22分)
超新星残骸カシオペヤA

私たちをかたちづくる元素は、宇宙の歴史のなかでつくり出されてきました。宇宙を調べることは、私たちの起源を探ることにつながります。ニュートリノや重力波の研究も、物質の起源の解明に深く関わっています。そして宇宙を調べることは、物質の基本的な構成要素である原子核の理解を促してきました。特に、つくられてもすぐに壊れてしまう不安定原子核の解明が宇宙における元素合成の鍵を握っていると考えられるようになっています。

現在の宇宙の研究は、物質の起源についてどのような問題を提起しているのでしょうか。そして原子核の研究はそれにどう答えようとしているのでしょうか。3つの講演を通して考えていきます。

概要

テーマ
宇宙が物語る物質の起源
日時
2016年6月11日(土曜日)午後3時から午後6時20分(開場 午後2時30分)
会場
一橋講堂(東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター内)
アクセス
東京メトロ半蔵門線、都営三田線、都営新宿線 神保町駅 徒歩4分
東京メトロ東西線 竹橋駅 徒歩4分
参加費
無料
その他
ご参加には事前のお申し込みが必要です(定員 450名、先着順)
定員に達しましたので、申し込みは終了しました。
主催
自然科学研究機構 国立天文台、理化学研究所、国際シンポジウム Nuclei in the Cosmos

プログラム

15:00
開会あいさつ、趣旨説明
15:10
講演1:物質と時間・空間の根源に迫る宇宙研究
梶野敏貴(自然科学研究機構 国立天文台 准教授)
16:00
講演2:宇宙の観測が解き明かす元素合成
青木和光(自然科学研究機構 国立天文台 准教授)
16:50
休憩
17:10
講演3:元素合成の鍵を握る不安定原子核
本林 透(理化学研究所 特別顧問)
18:00
講師との質疑応答と議論
18:20
閉会

講演内容

講演1:物質と時間・空間の根源に迫る宇宙研究

物質の起源は、宇宙の誕生・進化と結びついています。ニュートリノの質量が最近話題となりましたが、その起源は宇宙のはじまりの時間・空間の誕生にあります。ニュートリノはブラックホールや中性子星の誕生にも深く関わっています。最近直接検出がなされた重力波は、これらの天体が合体する時に発生するもので、その際には、私たちに身近な重い元素が多量につくられると考えられています。物質の起源を考えることを通して、時間・空間の誕生から生命に至るまでの不思議な結びつきをお話しします。

梶野 敏貴(かじの としたか)

梶野敏貴

自然科学研究機構国立天文台・准教授、東京大学大学院・准教授、総合研究大学院大学物理科学研究科天文科学専攻・准教授。理学博士。専門はビッグバン宇宙論と元素の起源論。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。東京都立大学(現首都大学東京)助手を経て、1993年より現職。この間、オーストラリア国立大学、パリ第七大学、ハーバード大学等の客員教授を務める。2004年 米国物理学会フェロー、2016年 中国千人学者教授。

講演2:宇宙の観測が解き明かす元素合成

私たちを構成するさまざまな元素は、宇宙誕生以来、星の中や爆発現象などで脈々とつくられてきたものです。ひとつひとつの元素を見ていくと、宇宙の歴史やそのなかで起こる現象がひとつながりに見えてきます。新たに元素をつくりだしている爆発現象や、大昔につくられた元素の記録をとどめている星を調べることにより、その全貌が解き明かされようとしています。元素合成を解明するためにどのような観測が行われているのか、最近の話題を中心にご紹介します。

青木 和光(あおき わこう)

青木和光

自然科学研究機構国立天文台・准教授、総合研究大学院大学物理科学研究科天文科学専攻・准教授、博士(理学)。すばる望遠鏡での研究と運用に携わり、現在は超大型望遠鏡TMTの建設を進めている。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修了。国立天文台COE研究員、助手を経て現職。2007年に日本天文学会研究奨励賞、2015年に自然科学研究機構若手研究者賞を受賞。

講演3:元素合成の鍵を握る不安定原子核

元素が宇宙でつくられてきたのは、原子核が反応することによっています。それを直接見ることはできませんが、地上で原子核の構造や反応の仕組みを調べる実験を行い、理論的に分析することによって宇宙での元素合成に迫ることができます。超新星のような爆発的な現象でつくられる元素の研究がホットな話題となっていますが、これには放っておくとすぐ壊れてしまう不安定な原子核が大切な役割を果たします。最近、それらの不安定原子核を調べる手段が大いに発達し、研究は新しい局面を迎えています。

本林 透(もとばやし とおる)

本林透

国立研究開発法人理化学研究所仁科加速器研究センター・特別顧問。理学博士。東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程修了。大阪大学理学部助手、立教大学理学部講師、助教授、理化学研究所主任研究員、コーディネータを経て、現職。大阪大学核物理研究センターにおいて原子核反応機構の実験研究、理化学研究所の加速器を用いた天体核反応を含む不安定原子核の研究、RIビームファクトリーを用いた不安定原子核研究に携わる。1999年に井上学術賞、2015年に仁科記念賞を受賞。

参加申し込み

定員に達しましたので、申し込みは終了しました。(2016年5月16日 午前10時22分)

インターネット中継

講演会の模様は、インターネットで中継します。中継は下記のサイトで行います。

Youtube ニコニコ生放送

お問い合わせ

国立天文台 天文情報センター 一般質問電話
電話 0422-34-3688(平日午前9時~午後6時)
ご注意:お電話の際は「6月11日の講演会について」とお伝えください

関連リンク

  • Nuclei in the Cosmos XIV(英語)
    2016年6月19日から24日に、世界中から研究者が集まり国際シンポジウム「宇宙と元素」(Nuclei in the Cosmos)が新潟市で開催されます。本講演会はこれを記念して企画されました。

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