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2025年7月の星空情報

著者近影三上真世、伊藤博則(国立天文台 天文情報センター)

2025年7月の星空情報です。

夏至を過ぎたばかりの7月。まだ昼が長い時期ですが、日が暮れると東の空に夏の大三角、南の空にはさそり座が見えます。

日の出前の東の空には、月と土星、金星がならびます。月は、16日、17日には土星に、22日には金星に近づきます。早起きの方もそうでない方も、日が昇る前の夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。

月には満ち欠けがあります。これは月が地球のまわりをまわる中で、太陽の光が当たる面の見え方が変化するためです。新月から半月、満月を経て再び新月へと形を変えていきます。

毎月のように起こる月と惑星の接近ですが、その時の月の位置や形はさまざまです。月は毎日どのように変わっているのか、夏休み期間に観察してみませんか。

日の入り後の西の空に火星が見えています。28日、29日には細い月が火星に近づきます。月と火星が並んで見られるのは、この夏が今年のラストチャンスとなります。見逃さないよう、20時ごろの西の空を見上げてみてください。

7月の月の暦

3日:上弦 11日:満月 18日:下弦 25日:新月

(三上)

映像制作スタッフおススメ現象ピックアップ —月は そっと、いつも そこに—

月って、ふしぎです。
空にただ「ある」のじゃなくて、「いる」って言いたくなる。

わたしのまわりの人たちも、みなさんそう言います。
「月、今日もいるね」って。

そろそろ1学期の終わりが近づいて、子どもたちにとっては、長い夏休みのはじまりです。

朝顔の鉢、がんばって作った工作、ちょっと気が重い宿題。
そんな荷物を抱えて、下校していく小学生の姿を、わたしはよく見かけます。

うちの近くに小学校があるから、
いろんな荷物を背負って歩く子どもたちの姿は、ある種の「わたしの風物詩」。

公立の小学校では、夏休みは7月下旬から約1か月。
大人になった今、つい考えてしまいます。
「子どもに戻って、夏休みをやり直せたら、何をするだろう?」

あの、たっぷりとあるように感じられていた時間が、もう一度あったなら——
野良猫の観察をしてみたり、徒歩や自転車で小さな旅に出かけたり。
夢がふくらみます。

でも、旅に出たら自由研究はどうしよう。
あれって、いまでもあるのでしょうか。

月の観察なら、どこにいてもできそうですね。
天気さえよければ、空を見上げて、月の形を見て、記録する。
そんな夏の宿題なら、ちょっと楽しそうです。

神さま、お願いです。
心を入れかえて、一生懸命にやりますから……
もう一度だけ、夏休みのはじまりにタイムスリップさせてください。

(伊藤)

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