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2024年6月の星空情報

著者近影内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

2024年6月の星空情報です。

空が暗くなったころ、春の星座が少し西に傾いて、夏の星座がいよいよ姿を見せてきます。

この季節に一年で最も早くなる日の出を前にして、明け方の東の空で火星の赤い輝きが目に入ります。3日には、新月前の細い月が火星に近づいて見えます。

土星は、真夜中に東の空から姿を見せ始めます。27日深夜から28日未明にかけては、半月に近い月が並びます。

21日は、夏至。太陽が最も北寄りの方角から昇ります。地球の自転軸の傾きが生む太陽の動きが、季節の節目になります。

夜が一番短い季節の到来です。広い地域で梅雨に入ることもあり、星が見える時間は少ない季節になりますが、変わらず空の様子を楽しみましょう。

6月の月の暦

6日:新月 14日:上弦 22日:満月 29日:下弦

ワンポイント・アドバイス(夏至)

6月21日は夏至。北半球の中緯度にある日本では、太陽が南中する高度が、一年の中で最も高くなります。南中時の影の長さを記録して、他の季節と比べてみると面白いでしょう。こうした季節による日の出の方角の変化や太陽高度の変化は、古代から知られていました。今では、その理由が地球の自転軸が傾いていることにあると理解されています。

広い地域で梅雨となるこの時期、星空を楽しむ時間は限られますが、短い夜だけではなく長い昼の空でも、季節を感じてみましょう。

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