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石垣島天文台「南十字星モニター」の楽しみ方6選
2019年7月、沖縄県石垣市は新たなシンボルとして南十字星(みなみじゅうじ座)を「市の星」に制定しました。北緯24度にある石垣島では12月から6月にかけての約半年間、南十字星を見ることができます。石垣島天文台では「市の星」制定を機に多くの方々により身近に南十字星に親しんでもらえるようなコンテンツとして、2020年1月にモニターサイト「南十字星モニター」を公開しました。この南十字星モニターには知っておくとさらに楽しめるコツがいくつか存在します。今回は公開から2年を記念して、厳選した6つの楽しみ方をご紹介します。
1. 激熱コアタイムが存在する
普段は3分おきに更新されている南の空の画像、実は南十字星が見える時間帯には、コアタイムとして30秒間隔で更新しています。南十字星が雲に隠れて見えにくいような場合でも、雲間から現れた時の一瞬のチャンスを見逃さないように工夫しています。
2.見逃し配信が存在する
残念ながらリアルタイムで見逃してしまった場合でもまだチャンスがあります。南十字星が見える時間帯のタイムラプス動画が15日分配信されています。南十字星が南の空でどのように見えるのかを知る手段としても役立ちます。
3.ベストショットを一覧で楽しめる
南十字星が見えた日の画像を一覧で見ることができます。画像はその日最も見映えがするものを選んで公開していますので、是非ご覧ください。位置がわかりやすいように十字の線を引いています。時期によってはりゅうこつ座のイータ・カリーナ星雲や、ケンタウルス座のアルファ星、ベータ星との共演も楽しむことができます。
4.計画を立てたくなる出没時刻と撮影情報
南十字星を見たいときや撮影したいとき、事前に計画が立てやすいように時期と時間帯の目安を掲載しています。南中時刻の前後1時間くらいが見ごろです。撮影画像にはカメラの露出時間や絞り値、ISO感度などの撮影情報も記載しています。写真を撮影される方におススメの情報です。
5.夏から秋は天の川モニターに変身
7月から11月は南十字星のオフシーズンとなる一方、天の川を楽しめる絶好の季節になります。この時期は広角のレンズに交換し、石垣島から見える天の川にも多くの方々に親しんでもらえるように「天の川モニター」として公開しています。さそり座や銀河中心が高い位置に見える石垣島ならではの天の川を是非お楽しみください。
6.南の島ならではの星をご覧あれ
南十字星モニターや天の川モニターには、夜間は多くの星が写ります。国内の南の地域で見える星(見やすくなる星)として、りゅうこつ座のカノープス、エリダヌス座のアケルナル、ケンタウルス座のアルファ星やベータ星などの1等星を楽しむことができます。画像で見えている星や星座が何かを調べると思いがけない発見があるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。南十字星モニターをさらに楽しむための6つのコツをご紹介しました。この記事を参考に、南の空で輝く星たちをパソコンやスマートフォンからご覧いただき、より身近なものとして親しんでもらえたら嬉しいです(注)。
(注)機材の不具合や台風等の影響のため、公開を中止することがありますのでご了承ください。
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文:花山 秀和(国立天文台 天文情報センター 石垣島天文台)