国立天文台 メールニュース
No.237(2022年4月28日発行)研究成果、GALAXY CRUISE 第2シーズン開始、クラウドファンディング実施中 など
__________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.237 (2022年4月28日発行) __________________________________________________________ 国立天文台の研究成果やイベント、注目したい天文現象などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ◇もくじ------------------- ・研究成果:原始惑星系円盤に埋もれた、成長中の原始惑星を捉えた ・お知らせ:GALAXY CRUISE 第2シーズン開始!より深い宇宙の探求へ ・お知らせ:「ふれあい天文学」今年度の実施校を募集中 ・お知らせ:水沢VLBI観測所がクラウドファンディングを実施中 -------------------------◇ ▼研究成果 ____________________________ ■原始惑星系円盤に埋もれた、成長中の原始惑星を捉えた すばる望遠鏡が、原始惑星系円盤の中に埋もれている成長しつつある原始惑星の姿を、直接捉えることに成功しました。 今回観測に成功したのは、生まれて200万年ほどの若い恒星「ぎょしゃ座AB星」の周りを巡る原始惑星です。この恒星の周囲にある原始惑星系円盤には、これまでに隙間(ギャップ)やリング状の構造が確認されていましたが、円盤内に埋もれている惑星の姿を直接捉えたのは、今回が初めてです。惑星は太陽系の木星の4倍程度の質量があり、地球-太陽間の距離の93倍に相当する主星からたいへん離れた場所を公転しています。 主星から遠く離れた場所で巨大惑星が成長しつつあるということは、この惑星は、太陽系の巨大惑星のように微惑星が成長の後に周囲のガスを集めて巨大になったのではなく、自己重力によって形成されたためと考えることができます。惑星の形成理論に大きなインパクトを与える研究成果です。 ▽すばる望遠鏡が捉えた、生まれつつある惑星 https://subarutelescope.org/jp/results/2022/04/04/3038.html ▼お知らせ _____________________________________________________________________ ■GALAXY CRUISE 第2シーズン開始!より深い宇宙の探求へ すばる望遠鏡が捉えた広大な宇宙画像の中を「航海」しながら、市民が銀河の研究に参加する市民天文学プロジェクト「GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)」。2019年11月の出航から2年余りを経て、この4月からは新たな航海を開始することになりました。より深く銀河の謎を探求する第2シーズン「Deep Quest(ディープクエスト)」のスタートです。 第1シーズンでは、2万個以上の銀河の形状分類を市民天文学者の皆さんの力で進めることができました。その結果、統計的な解析が十分に行えるほどの分類結果を得ることができ、これまでの研究では見落とされていたような新たな発見もありました。第2シーズンではより遠くの暗い銀河を対象とした形状分類から、宇宙進化の解明を目指す旅に出かけます。 より深い探求の旅へ、皆様のご乗船をお待ちしております。 ▽あなたも天文学者!「GALAXY CRUISE」第2シーズン始動 https://www.nao.ac.jp/news/topics/2022/20220418-prc.html ▽GALAXY CRUISE 2022 新たなる旅立ち https://galaxycruise.mtk.nao.ac.jp/news/20220401.html _____________________________________________________________________ ■「ふれあい天文学」今年度の実施校を募集中 国立天文台が派遣する講師が全国の小中学校で天文・宇宙の授業を行う「ふれあい天文学」。例年40名を超える天文学者(注)が、星や宇宙の話題を全国の教室に届けているたいへん人気のある事業です。新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、一昨年度からは、従来の対面授業だけでなくオンライン授業も実施しています。 現在、今年度の「ふれあい天文学」の実施校を募集中です。募集の締め切りは5月31日です。詳しくは「ふれあい天文学」のウェブサイトをご覧ください。 この「ふれあい天文学」は「天文学振興募金」の支援を受けています。実施校における講師旅費・謝礼等の負担はありません。 注:天文学あるいは関連する分野の研究・開発をしている国立天文台職員および元職員 ▽「ふれあい天文学」実施校募集中 https://www.nao.ac.jp/news/topics/2022/20220411-fureai.html ▽ふれあい天文学―あなたの教室に天文学者を届けます!― https://prc.nao.ac.jp/delivery/ ▽天文学振興募金 https://www.nao.ac.jp/bokin/ _____________________________________________________________________ ■水沢VLBI観測所がクラウドファンディングを実施中 国立天文台 水沢VLBI観測所は、ブラックホール研究などに関わる若手研究者の研究活動への支援をはじめ、研究成果発信などの広報普及活動、望遠鏡などの研究設備を含む施設維持を目的として、現在クラウドファンディングを実施しています。 これは国立天文台として初めて実施するクラウドファンディングで、実施期間は2022年4月20日午前9時から6月17日午後11時まで、目標金額は1,000万円です。 詳細は、クラウドファンディング・プロジェクトサイトをご覧ください。 皆様からの温かいご支援をお待ちしております。 ▽クラウドファンディング実施のご案内[水沢] https://www.miz.nao.ac.jp/content/news/announce/20220419-431.html ▽国立天文台 水沢VLBI観測所 進むブラックホール研究にご支援を。(READYFOR) https://readyfor.jp/projects/naoj-mizusawa ◇編集後記----------------- 今年度最初のメールニュースをお届けします。東京では桜の季節があっという間に過ぎ、慌ただしく新緑の季節を迎えています。年度の変わり目ということもあり話題には事欠きませんが、少しずつ少しずつお届けしてまいりますので、おつきあいをよろしくお願いします。 -------------------------◇ 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 __________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2022年4月28日 __________________________________________________________