国立天文台 メールニュース
No.123(2014年1月9日発行)国立天文台より新年のごあいさつ、ほか
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.123 (2014年1月9日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■国立天文台より新年のごあいさつ ■アルマ望遠鏡の受信機の開発が完了 ■板垣さん、一晩に2つの超新星を発見 ----------------------------------------------------------- ■国立天文台より新年のごあいさつ 国立天文台の林正彦 (はやしまさひこ) 台長による新年のごあいさつを、国 立天文台ウェブサイト「今週の一枚」にて動画で公開しています。 国立天文台は2014年もさまざまな新しいことに挑んでいきます。 まず、国際協力により進められているTMT (Thirty Meter Telescope、30メー トル望遠鏡) の建設が、いよいよハワイ島マウナケア山頂で開始されます。 また、昨年完成した、すばる望遠鏡に搭載する超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)」を用いた、ダークマ ター、ダークエネルギーの観測的研究を開始します。 昨年本格運用が始まったアルマ望遠鏡も、すでに驚くべき科学成果が出てい ます。今年もさらに新しい成果を皆さんにお届けしたいと考えています。 今年も、国立天文台の新たな研究成果にご期待ください。 ▽国立天文台より新年のごあいさつ (動画) http://www.nao.ac.jp/gallery/2014/20140107-newyear.html ▽今週の一枚 http://www.nao.ac.jp/gallery/ ■アルマ望遠鏡の受信機の開発が完了 日本が担当したアルマ望遠鏡の受信機の開発が、2013年12月をもってすべて 完了しました。 アルマ望遠鏡では、電波を10種類のバンド (周波数帯) に分けて観測を行い ますが、それぞれのバンド専用の受信機が開発されています。このうちの、バ ンド4 (ミリ波)、バンド8 (サブミリ波)、バンド10 (テラヘルツ波) 用の3種 類については日本が開発を担当し、国立天文台先端技術センターが中心となっ て開発・製造を行いました。受信機は、66台すべてのアンテナに搭載されるも のに予備を加えた73台が、各バンド用に製造されました。すでに完成しチリに 送られたバンド4、バンド8受信機に続いて、12月にはバンド10受信機の73台す べてが完成しました。これで、日本が担当した受信機の開発・製造がすべて完 了したことになります。 バンド4、バンド8受信機については、6月から開始される科学観測サイクル2 で使用されることになっています。また、バンド10受信機については、現地で さらなる試験観測を経た上で、科学観測での使用の準備が進められます。 ▽アルマ望遠鏡超伝導受信機の開発完了 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/1227post_524.html ■板垣さん、一晩に2つの超新星を発見 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、2013年12月13日 (世 界時) の観測から、しし座方向にある NGC 3910 銀河に16.7等の超新星を発見 しました。この発見は、国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は 「2013hl」と命名されました。この天体の発見日時と位置は次のとおり。 ・発見日時 2013年12月13.856日 = 12月13日20時33分 (世界時) ・発見位置 赤経 11時 50分 0.16秒 赤緯 +21度 20分 16.6秒 (2000年分点) また、板垣さんは、同じく12月13日 (世界時) の観測から、とかげ座方向に ある NGC 7276 銀河に17.1等の超新星を発見しました。この発見は、国際天文 学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2013hq」と命名されました。こ の天体の発見日時と位置は次のとおり。 ・発見日時 2013年12月13.384日 = 12月13日9時13分 (世界時) ・発見位置 赤経 22時 24分 13.21秒 赤緯 +36度 5分 0.8秒 (2000年分点) 板垣さんによる超新星の発見は、2013年で8個目と9個目、通算では89個の発 見 (独立発見を含む) となりました。 板垣さんが一晩に2個の超新星を発見したのは、2012年6月14日 (世界時) 以 来、2度目となります。 ▽参照 CBET No. 3759 : SUPERNOVA 2013hl IN NGC 3910 = PSN J11500016+2120166 (2013 Dec 18) CBET No. 3768 : SUPERNOVA 2013hq IN NGC 7276 = PSN J22241321+3605008 (2013 Dec 29) ▽国立天文台 メールニュース No.79 (2012年7月25日) 「板垣さん、一晩に2つの超新星を発見」 http://www.nao.ac.jp/mailnews/data/0079.html ▽日本人が発見した超新星一覧 http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2014年1月9日 _____________________________________________________________________