国立天文台 メールニュース
No.118(2013年11月13日発行) アイソン彗星を見つけよう、ほか
____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.118 (2013年11月13日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■アイソン彗星を見つけよう ■板垣さん、わし座方向に新星を発見 ■板垣さん、しし座方向にある銀河に超新星を発見 ----------------------------------------------------------- ■アイソン彗星を見つけよう アイソン彗 (すい) 星 (C/2012 S1 (ISON) ) が、日の出前の東の空で明る さを増しています。 アイソン彗星は11月29日に太陽に最も接近し、最も明るくなると考えられま すが、その前後数日間は、太陽に近すぎて肉眼や双眼鏡・望遠鏡では見ること ができません。見頃は、太陽に接近する少し前の11月20日頃から24日頃と、接 近後の12月4日頃から10日頃です。いずれも、日の出前の東の地平線近くに、 肉眼でアイソン彗星を見つけることができるかもしれません。また、太陽に接 近して、突然明るくなったり、長く立派な尾ができる可能性もありますので、 それ以外の期間も目が離せません。 双眼鏡を持っている方でしたら、11月半ばから12月後半までと、アイソン彗 星を楽しめる期間が広がります。特に11月17日から19日は、アイソン彗星を見 る絶好のチャンスです。11月18日にアイソン彗星がおとめ座の1等星スピカに 見かけ上接近するため、スピカを目印にアイソン彗星を見つけることができる からです。このときアイソン彗星は、6倍ないし10倍程度の双眼鏡を使えば同 じ視野の中に見えるくらいスピカに接近します。 アイソン彗星は日に日に位置を変えますので、詳しい位置は国立天文台の 「アイソン彗星」ページで確認しましょう。 国立天文台も参加する日本天文協議会 (注) では、現在「アイソン彗星を見 つけよう」キャンペーンを行って、観察情報を募集しています。早起きをして アイソン彗星を探し、キャンペーンに参加してください。すでに全国各地から、 アイソン彗星を見た、写真撮影に成功した、という報告が寄せられています。 注:世界天文年2009の成果を引き継ぎ、日本の天文学研究・教育・普及・ア マチュア活動が一体となって、天文と科学の理解を社会に広げるための 合同組織 (2010年9月9日発足)。日本天文学会、国立天文台、宇宙航空 研究開発機構、天文教育普及研究会、日本プラネタリウム協議会、日本 公開天文台協会、日本天文愛好者連絡会、星空を守る会の8団体・機関 から成る。 ▽アイソン彗星 http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2013/ison.html ▽国立天文台 石垣島天文台が撮影したアイソン彗星 http://www.miz.nao.ac.jp/ishigaki/content/comet/ ▽アイソン彗星を見つけようキャンペーン (日本天文協議会 アイソン彗星キャンペーン実行委員会) http://ison.astro-campaign.jp/ ■板垣さん、わし座方向に新星を発見 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、10月28日 (世界時) の観測から、わし座方向に13.8等の新星らしき天体を発見しました。この天体 の板垣さんによる発見日時、位置は次のとおりです。 ・発見日時 2013年10月28.443日 = 10月28日10時38分 (世界時) ・発見位置 赤経 19時 2分 33.35秒 赤緯 +3度 15分 19.0秒 (2000年分点) 発見後に行われた多くの観測の結果、その特徴から新星であることが確定 され、「わし座新星2013」と名付けられました。 ▽参照 CBET No. 3691 : NOVA AQUILAE 2013 = PNV J19023335+0315190 (2013 Nov 7) IAUC No. 9263 : V2830 AQUILAE = NOVA AQUILAE 2013 = PNV J19023335+0315190 (2013 Nov 10) ■板垣さん、しし座方向にある銀河に超新星を発見 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、11月8日 (世界時) の観測から、しし座方向にある NGC 3287銀河に16.8等の超新星を発見しま した。この発見は、国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は 「2013ge」と命名されました。この天体の発見日時と位置は次のとおり。 ・発見日時 2013年11月8.796日 = 11月8日19時6分 (世界時) ・発見位置 赤経 10時 34分 48.46秒 赤緯 +21度 39分 41.9秒 (2000年分点) 板垣さんによる超新星の発見は、10月の「2013fs」以来今年5個目、通算で 85個目 (独立発見を含む) となりました。 ▽参照 CBET No. 3701 : SUPERNOVA 2013ge IN NGC 3287 = PSN J10344846+2139419 (2013 Nov 11) ▽日本人が発見した超新星一覧 http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2013年11月13日 ◇バックナンバーは次のページをご覧ください。 配信先メールアドレスを変更したい方、配信を停止したい方は、このページ の「メールアドレスの変更」、「配信の停止」より手続きをしてください。 http://www.nao.ac.jp/mailnews/index.html ◇配信についてのお問い合わせは、国立天文台ウェブサイト「お問い合わせ」 http://www.nao.ac.jp/contact/ をご利用ください。 _____________________________________________________________________