国立天文台 メールニュース
No.112(2013年8月8日発行)すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラがファーストライト、ほか
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.112 (2013年8月8日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラがファーストライト ■故 森田教授の名前が小惑星に ■星に願う2日間 ― 伝統的七夕の夜にライトダウンを ----------------------------------------------------------- ■すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラがファーストライト 国立天文台ほかは、2012年8月にすばる望遠鏡に搭載され、性能試験観測が 進められてきた超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュ プリーム・カム、以下、HSC)」による、アンドロメダ銀河 (M31) の画像を、 2013年7月31日に公開しました。 HSCは、国立天文台が中心となり、東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連 携宇宙研究機構 (東大カブリIPMU) など国内外の研究機関や、民間企業と共同 で、10年の長期にわたる歳月を費やして開発された、超広視野でかつ超高解像 度のカメラです。満月9個分の広さの視野を一度に撮影できる広視野で、かつ、 独自に開発された116個のCCD素子を配置し計8億7000万画素という解像度の高 さを備えています。 今回公開したアンドロメダ銀河の画像は、このHSCの試験観測の一環として 撮影されたものです。アンドロメダ銀河のほぼ全域をシャープに捉えた画像か ら、HSCが設計通りの性能を達成していることが確認されました。 2014年から5カ年にわたって計画されている観測では、数億個におよぶ銀河 の形状と重力レンズ効果を測定することで、ダークマターの分布を調べダーク エネルギーの謎に迫ることを目指しています。 ▽新型の超広視野カメラが開眼、ファーストライト画像を初公開 http://subarutelescope.org/Topics/2013/07/30/j_index.html ▽新型の超広視野カメラ Hyper Suprime-Cam、始動へ http://subarutelescope.org/Topics/2012/09/12/j_index.html ▽国立天文台 メールニュース No.88 (2012年9月13日) 「すばる望遠鏡の新型超広視野カメラ、始動へ」 http://www.nao.ac.jp/mailnews/data/0088.html ■故 森田教授の名前が小惑星に 国際天文学連合は、2013年7月22日発行の「小惑星回報」 (Minor Planet Circular、MPC) を通じて、小惑星 1995 WG5 (小惑星番号 14047) が 「Kohichiro」と命名されたことを公表しました。これは、国立天文台野辺山 宇宙電波観測所のミリ波干渉計、アルマ望遠鏡のACA (Atacama Compact Array、別名モリタアレイ) の設計・開発に尽力され、2012年5月にサンチャゴ で急逝された、故 森田耕一郎 (もりたこういちろう) 国立天文台教授の功績 をたたえての命名です。 ▽故 森田耕一郎教授の名前が小惑星に http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/0802post_506.html ▽MPC No.84379 : NEW NAMES OF MINOR PLANETS (2013 July 22) http://www.minorplanetcenter.net/iau/ECS/MPCArchive/MPCArchive.html ■星に願う2日間 ― 伝統的七夕の夜にライトダウンを 伝統的七夕の夜に明かりを消して、暗くなった夜空に輝く天の川を見上げよ う―このように呼びかける「伝統的七夕ライトダウン」キャンペーンが、2011 年から行われています。 伝統的七夕ライトダウン2013推進委員会は、今年の伝統的七夕 (注) にあた る8月13日の夜と、その前日の8月12日の夜、無駄な照明を消したりカーテン等 で遮るなどして、暗くなった夜空を見上げようと呼びかけています。 今年のスローガンは「星に願う2日間」。8月12日と13日は、日の入り後の空 に上弦前の月が輝き、また、月が沈んだ夜半には、夜空に輝く七夕の星と天の 川を楽しむことができます。折しも、8月12日夜半から13日未明にかけては、 ペルセウス座流星群が出現のピークを迎えます。この8月12日と13日の2晩、ラ イトダウンで暗くなった夜空を見上げ、七夕の星と流れ星に願いをかけるキャ ンペーンを展開します。 今年の伝統的七夕ライトダウンキャンペーンでは、この2晩の間に、照明を 消して星空を見上げるだけでなく、天の川の中に輝くはくちょう座の「アルビ レオ」を見つけようと、呼びかけています。各地でアルビレオを見つける天体 観察会などのイベント「アルビレオを見つけよう」の開催が予定されています ので、ぜひお近くの会場へ足を運んで、夏の星空とアルビレオをお楽しみくだ さい。「アルビレオを見つけよう」の開催協力者も募集中です。 注:二十四節気の処暑を含む日か、それよりも前で処暑に最も近い朔 (さく) の瞬間を含む日から数えて7日目としている。2013年は8月13日が伝統的 七夕の日。 ▽伝統的七夕ライトダウン2013 (伝統的七夕ライトダウン2013推進委員会) http://7min.darksky.jp/ ▽伝統的七夕について教えて 国立天文台 よくある質問 http://www.nao.ac.jp/faq/a0310.html _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2013年8月8日 _____________________________________________________________________