国立天文台 メールニュース
No.88 (2012年9月13日発行) すばる望遠鏡の新型超広視野カメラ、始動へ、ほか
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.88 (2012年9月13日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 -------------------------------------------------- もくじ ■すばる望遠鏡の新型超広視野カメラ、始動へ ■講演会「超大型望遠鏡TMTがぬりかえる宇宙像」 ■「三鷹・星と宇宙の日」開催[三鷹] -------------------------------------------------- ■すばる望遠鏡の新型超広視野カメラ、始動へ 国立天文台は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (東大 カブリIPMU) と共同で、すばる望遠鏡に搭載する新型の超広視野カメラ 「Hyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム、以下HSC)」の開発を 進めてきました。HSCは、8月17日 (ハワイ現地時間、以下同じ) にすばる望遠 鏡への搭載作業が完了し、8月28日夜に性能試験観測がスタートしました。 HSCは、満月9個分の広さに相当する視野を一度に撮影できる超広視野カメラ です。従来すばる望遠鏡に搭載されている主焦点カメラ「Suprime-Cam (シュ プリーム・カム)」は、満月よりやや広い視野の撮影が可能でしたが、その7倍 もの視野を持つHSCの始動により観測効率が格段に上がることになります。 HSCの開発は、2002年に技術的な検討を開始してからおよそ10年にもおよぶ 長期にわたって進められてきました。また、高さ3メートル、重さ3トンもの巨 大なHSCを搭載できるように、2010年にはすばる望遠鏡の大掛かりな改修も行 われました。 HSCは、今後、予定されている性能が達成できているかどうかを確認する試 験観測を行い、2013年に本格的な科学観測を開始します。科学観測では、すば る望遠鏡のシャープな星像とHSCの超広視野を生かし、重力レンズ効果を用い たダークマター分布の直接探査などの研究が進められる計画です。 ▽新型の超広視野カメラ Hyper Suprime-Cam、始動へ http://subarutelescope.org/Topics/2012/09/12/j_index.html ■講演会「超大型望遠鏡TMTがぬりかえる宇宙像」 講演会「超大型望遠鏡TMTがぬりかえる宇宙像」を、来る10月8日に開催いた します。 TMT (Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡) は、国立天文台が国際 協力で進めている、すばる望遠鏡に続く次世代の大型光学赤外線望遠鏡プロ ジェクトです。口径30メートルの巨大な主鏡を持つこの望遠鏡は、光を集める 能力や解像力で従来の望遠鏡を大きく上回り、人類の宇宙に対する理解を飛躍 的に深めることができると期待されています。 この講演会では、現在天文学において大きな研究テーマとなっている、「宇 宙初期の星・銀河形成」、「太陽系外惑星」、「宇宙論」に関して、今後の研 究の展望と、TMTが果たす役割をお伝えします。 多くの皆様のご参加をお待ちしています。 開催概要 テーマ:超大型望遠鏡TMTがぬりかえる宇宙像 日時:2012年10月8日 (月曜・祝日) 13時から16時まで (開場12時30分) 会場:一橋講堂 (東京都千代田区一ツ橋2-1-1 学術総合センター 2階) 主催:自然科学研究機構 国立天文台 参加費:無料 その他:ご参加には事前のお申し込みが必要です (定員:450名、先着順) 内容 開会あいさつ 林 正彦 (国立天文台 台長) 講演1:宇宙で最初の星と銀河 家 正則 (国立天文台TMT推進室 室長) 講演2:太陽系外惑星に生命の存在を探る 田村元秀 (国立天文台太陽系外惑星探査プロジェクト室 室長) 講演3:ダークエネルギーの謎にどう挑むか 須藤 靖 (東京大学大学院理学系研究科 教授) ▽講演会「超大型望遠鏡TMTがぬりかえる宇宙像」の開催のご案内 http://www.nao.ac.jp/news/notice/2012/20120910-tmt-lecture.html ▽国立天文台 TMT推進室 http://tmt.mtk.nao.ac.jp/index-j.html ■「三鷹・星と宇宙の日」開催[三鷹] 毎年秋に行っている国立天文台三鷹キャンパス (東京都三鷹市) の特別公開 「三鷹・星と宇宙の日」を、今年は10月26日、27日の2日間にわたって開催し ます。 今年のメインテーマは「星の一生~赤ちゃん星から超新星まで~」です。こ のメインテーマに関連した講演会 (27日開催) のほか、ふだんは見学できない 観測・実験施設の公開、最新の研究成果の紹介など、多くの企画をご用意して 皆様のご来場をお待ちしています。 おもな公開内容 ・10月26日 (金) 開催時間:14時から19時まで (入場は18時まで) 内容:一部の施設公開、研究紹介、ミニ講演会、天体観望会 ・10月27日 (土) 開催時間:10時から19時まで (入場は18時まで) 内容:メインテーマに関連する講演会、施設公開、研究紹介、ミニ講演会、 天体観望会 なお、詳しい公開内容は、9月下旬に公開予定のウェブサイト「三鷹・星と 宇宙の日 特設サイト」にてご紹介します。 「三鷹・星と宇宙の日」は、自然科学研究機構国立天文台、東京大学大学院 理学系研究科附属天文学教育研究センター、総合研究大学院大学物理科学研究 科天文科学専攻の共催事業です。 ▽三鷹・星と宇宙の日 2012 開催のご案内 http://www.nao.ac.jp/news/notice/2012/20120906-openday2012.html _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2012年9月13日 ウェブ:http://www.nao.ac.jp/mailnews/ _____________________________________________________________________