国立天文台 メールニュース
No.78 (2012年6月4日発行) 6月6日は金星の日面経過、ほか
__________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.78 (2012年6月4日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■6月4日は部分月食 ■6月6日は金星の日面経過 ■金星の日面経過を安全に観察しよう ----------------------------------------------------------- ■6月4日は部分月食 6月4日は、月が地球の影に隠され一部が欠けたように見える部分月食が起こ ります。 この月食は全国で見ることができますが、西日本と北海道北西部では、月食 が始まってから月の出となる月出帯食 (げつしゅつたいしょく) となります。 それ以外の地域では、月の出後まもなく食が始まります。食が最大になる20時 3分頃は月は南東の低空に見えるため、観察は南東の空が開けた場所で行うの がよいでしょう。 ▽ほしぞら情報 2012年6月 http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2012/06.html ▽国立天文台 暦計算室 月食各地予報 http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/eclipsex_l.cgi ■6月6日は金星の日面経過 6月6日は、2004年6月8日以来8年ぶりとなる金星の日面経過 (注) が起こり、 太陽の前面を金星が黒い点となって動いていく様子の一部始終を、全国で観察 できます。 金星の日面経過はたいへんまれな現象で、8年、121.5年、8年、105.5年とい う周期で繰り返し起こりますが、次回は2117年12月11日と100年以上先になっ てしまいます。 たいへん貴重な現象ですので、ぜひ観察したいものです。その際は、先日の 日食同様、太陽を直接見ることがないように十分な注意が必要です。 注:太陽面通過ともいう。 ▽金星の太陽面通過 http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20120606-venus-tr/index.html ▽国立天文台 暦計算室 6月6日、金星日面経過 http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/ ■金星の日面経過を安全に観察しよう 6月6日の金星の日面経過は、7時10分頃からおよそ6時間半以上の長時間にお よぶ現象です。観察の際は、強い光を放つ太陽を長時間にわたって対象とする ことになるため、5月21日の日食の観察時と同様に十分な注意が必要です。日 食観察に用いた太陽観察専用の器具 (日食グラス等) を用いるなど、絶対に太 陽をじかに見つめることがないようにしてください。また、長時間の観察を避 け、目を休めながら観察を行うようにしてください。 日本眼科学会は、5月21日の日食観察による眼障害の発生状況についての中 間報告 (5月28日現在) をまとめ、546の症例があったことを発表しました。症 例のうちの4分の3は、裸眼による観察で生じた眼障害であることがわかってい ます。 6月6日の金星日面経過の際も、ぜひ安全な方法での観察に努めてください。 ▽金星の太陽面通過 観察方法 http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20120606-venus-tr/observation/index.html ▽金星の太陽面通過を観察する際の注意について (2012年金環日食日本委員会) ▽金環日食による眼障害症例調査の中間報告 (日本眼科学会) http://www.nichigan.or.jp/news/m_218.jsp _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2012年6月4日 _____________________________________________________________________