国立天文台 メールニュース
No.64 (2011年12月7日発行) 12月10日は皆既月食、ほか
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.64 (2011年12月7日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■12月10日は皆既月食 ■板垣さん、みずがめ座方向にある銀河に超新星を発見 ■古山さん、おとめ座方向にある銀河に超新星を発見 ----------------------------------------------------------- ■12月10日は皆既月食 12月10日の夜、地球の影の中に月が完全に入り込む「皆既月食」が起こりま す。今回の皆既月食は条件がよく、日本全国で部分食の始まりから終わりまで 観察することができます。このように条件のよい皆既月食が日本で見られるの は、2000年7月16日以来のことです。 月食の経過は次のとおりです (日本全国同じ時刻です)。 月食の始め : 21時45.4分 皆既月食の始め : 23時 5.7分 食の最大 : 23時31.8分 皆既月食の終わり : 23時58.0分 月食の終わり : 1時18.3分 (真夜中を過ぎて日付が変わります) 月が欠け始めるのは10日の21時45.4分です。それまで、月は「半影」という 淡い影の中に入っていますので、部分的に少し薄暗いように見えるかもしれま せん。その後、月は徐々に欠けていき、23時5.7分には完全に地球の影の中に入 り込みます。皆既の間、月の色は「赤銅色」と言われる赤黒い色に変わります。 月が地球の影から出て、片側から明るくなり始めるのが23時58.0分、元の丸い 状態に戻るのが、日付が変わって11日の1時18.3分です。このときにもまだ半影 の中にありますので、部分的に少し薄暗いように見えるかもしれません。 国立天文台は、月食当日の夜に、この皆既月食を観察し報告をしていただく 「皆既月食を観察しよう」キャンペーンを実施いたします。キャンペーンペー ジにある記録用紙を利用して時刻ごとの観察結果を記録し、観察終了後にまと めてご報告ください。 また、このキャンペーンページでは、月食のメカニズムや経過・観察方法な どを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 ▽「皆既月食を観察しよう」キャンペーン http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20111210/ http://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20111210/ (携帯電話用) ■板垣さん、みずがめ座方向にある銀河に超新星を発見 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、11月26日 (世界時、 以下同じ) の観測から、みずがめ座方向にある NGC 7364 銀河の中に18.5等の 超新星らしき天体を発見しました。この発見は、国際天文学連合電報中央局に 報告され、この超新星は「2011im」と命名されました。 ・発見日時 2011年11月26.426日 = 11月26日10時13分 (世界時) ・発見位置 赤経 22時 44分 25.22秒 赤緯 -0度 10分 2.0秒 (2000年分点) 板垣さんによる超新星の発見は、10月31日の「2011hk」の独立発見に続き、 今年に入ってから8個目、通算では74個目 (独立発見を含む) となりました。 ▽参照 CBET No. 2928 : SUPERNOVA 2011im IN NGC 7364 = PSN J22442522-0010020 (2011 Dec 2) ▽日本人が発見した超新星一覧 http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html ■古山さん、おとめ座方向にある銀河に超新星を発見 茨城県利根町の古山 茂 (ふるやましげる) さんは、11月21日 (世界時、以 下同じ) の観測から、おとめ座方向にある UGC 6771 銀河の中に16.1等の超新 星らしき天体を発見しました。この発見は、国際天文学連合電報中央局に報告 され、この超新星は「2011ir」と命名されました。 ・発見日時 2011年11月21.813日 = 11月21日19時31分 (世界時) ・発見位置 赤経 11時 48分 0.32秒 赤緯 +4度 29分 47.1秒 (2000年分点) 古山さんは、1975年の鈴木・三枝・森彗星の独立発見者、1987年の古山彗星 の発見者として知られていますが、超新星の発見は今回が初めてとなります。 ▽参照 CBET No. 2934 : SUPERNOVA 2011ir IN UGC 6771 = PSN J11480032+0429471 (2011 Dec 4) ▽日本人が発見した超新星一覧 http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2011年12月7日 _____________________________________________________________________