国立天文台 メールニュース
No.23 (2010年12月2日発行) 衝突する直前の双子のブラックホールを発見、ほか
_____________________________________________________________________ 国立天文台 メールニュース No.23 (2010年12月2日発行) _____________________________________________________________________ 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。 ----------------------------------------------------------- もくじ ■衝突する直前の双子のブラックホールを発見 ■「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーン ----------------------------------------------------------- ■衝突する直前の双子のブラックホールを発見 国立天文台ほかの研究者から成る研究チームは、衝突直前の2つのブラック ホールを観測することに初めて成功しました。 これまでの研究で、活動銀河核のさらにその中心には、太陽の数十億倍程度 の質量を持つ巨大ブラックホールが存在することが分かってきています。さら に、近年は、活動銀河核の中心には、2つ (注) のブラックホールが存在する可 能性が示唆されていました。 本研究チームは、2003年、巨大楕円銀河である電波銀河 3C 66B の中心核の 公転運動を観測することで、この中心に2つのブラックホールが存在することを 世界で初めて発見しました。その後、さらに詳細な観測を行った結果、この2つ のブラックホールがあと500年程度で衝突することを突き止めました。このよう な衝突直前の2つのブラックホールの存在を強く示唆する観測に成功したのは、 世界で初めてです。 銀河形成史においては、銀河どうしの衝突が幾度も繰り返し起こり、そして その最終段階に巨大楕円銀河が誕生すると考えられています。今回、巨大楕円 銀河の中心から衝突直前の2つの巨大なブラックホールを発見したことは、これ までの銀河形成史の仮説を強く支持する結果を得たことになります。 注:3つ以上もあり得る ▽衝突する直前の双子のブラックホールを発見 http://alma.mtk.nao.ac.jp/~iguchi/press_release/index.html ■「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーン 毎年12月13、14日ごろを中心に「ふたご座流星群」が活発に活動します。今 年は真夜中過ぎには月が沈み、その後は月明かりの影響がない分多くの流星を 見ることができそうです。そこで国立天文台では、できるだけ多くの方に夜空 を眺める機会を持っていただこうと、ふたご座流星群を観察対象に「ふたご座 流星群を眺めよう」キャンペーンを行います。 観察期間:12月13日 (月) 夜より12月16日 (木) 朝まで 報告方法:パソコンもしくは携帯電話を使いキャンペーンページから報告 報告内容:観察日時、観察時間、何個の流れ星を見ることができたか等 その他:報告されたデータは自動集計し、10分おきに速報として掲載 観察方法や、ふたご座流星群の流星かどうかの見分け方等を、キャンペーン ページにて詳しく解説していますので、そちらを参考に観察に臨んでみてくだ さい。携帯電話からも参加可能ですし、携帯版では「初級編」も実施しますの で、これまで流れ星を眺めたことのない方も、ぜひお気軽にご参加ください。 参加者には、パソコンや携帯電話の壁紙画像のプレゼントもあります。 この機会にぜひ、冬の夜空に光る流れ星を見てみませんか。 ▽「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーン http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20101213/ ▽同キャンペーン携帯電話用ページ http://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20101213/ _____________________________________________________________________ 発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室 発行日:2010年12月2日 _____________________________________________________________________