天王星が見ごろ(2021年11月)
暗い空ならば肉眼でぎりぎり見える天王星
太陽系の惑星は8個ありますが、このうち太陽に近い(地球を除く)5個の惑星、水星、金星、火星、木星、土星は、夜空で比較的明るく輝き、肉眼で簡単に見ることができます。一方で天王星は、太陽からの平均距離が土星の約2倍と遠いため、あまり明るくは見られません。11月5日に衝となり見ごろを迎える天王星ですが、その前後の最も明るい頃でも5.6等という明るさです。たいへん暗い空において、肉眼で見える限界の星の明るさが約6等ですので、天王星は肉眼でぎりぎり見える明るさなのです(ちなみに海王星はさらに遠く、衝の頃でも約8等で肉眼では見えません)。
2021年の天王星は、おひつじ座をゆっくりと移動していますから、天王星を探すためにはまずおひつじ座を探します。おひつじ座はあまり目立たない星座ですが、明るい1等星アルデバランや散開星団のプレアデス星団(すばる)がある、隣のおうし座を目印にすると探しやすいでしょう。天王星を肉眼で探すためには、同じような明るさの星まで記載されている図(星図)と念入りに見比べなければなりません。さらに、暗い星まで見える十分に暗い空のもとで観察する必要があります。双眼鏡を使うと、肉眼で観察するよりも天王星を見つけやすくなります。
見つけられない場合にも、おひつじ座の方向の空を眺めながら、惑星の一つである天王星がそこに輝いていることに思いを巡らせてみるのはいかがでしょうか。