自然科学研究機構 国立天文台

土星と木星が見頃(2021年8月)

土星と木星が見頃 2021年8月20日23時
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相次いで「衝」を迎える土星、木星

太陽系最大級の二つの惑星、木星と土星が、見頃を迎えます。衝の頃、木星は約マイナス3等、土星は約0等で、天の川の左(東)で大きな存在感を放っています。

「衝(しょう)」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。衝の頃の惑星は、地球と惑星との距離が近く、見かけの直径(視直径)が大きくなっている上、陰になる面積も少ないため、明るく見えます。太陽が沈む頃に東の空から昇って、太陽が昇る頃に西の空に沈むので、一晩中見ることができ、観察の好機となるのです。

太陽系を巡る惑星の動きを意識しよう

今年は、8月2日に土星が、20日には木星が、相次いで衝となります。昨年は、今年よりも1カ月ほど早く、木星が7月14日に、土星が21日に衝となっていました。

地球自体の公転によって、恒星は天球上を日々西に移動して見えます。一方、地球と同じ方向に公転する木星や土星は、そうした恒星の間を東の方向に移動して見えます(注1)。そのため、これらの惑星は年々より遅い季節の星座の中で衝を迎えるようになっていくのです。公転周期の違いのため、天球上の移動量は惑星ごとに異なります。1年間で、木星は約30度、土星は約12度動きます。より早く動く木星が土星を西から東へと追い越したために、昨年と今年とで衝となる順番が入れ替わったのです。そのタイミングは、昨年12月の木星と土星の会合でした。

2020-2022年の木星・土星の衝における位置
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このように、日々の惑星の動きを注意深く見ていくことで、太陽のまわりを惑星が公転する仕組みに意識を向けてみるとよいでしょう。天文学の歴史は、こうした惑星の運動の観察と、その仕組みの理解から始まったのです。

望遠鏡で見たい二大惑星

木星も土星も、望遠鏡での観察をお勧めしたい天体です。地域の天文台や科学館などが開催する天体観望会に参加するのも良いでしょう。

望遠鏡を使うと、木星の表面には何本かの縞模様(しまもよう)が見えます。また、木星本体から少し離れたところには、4つの衛星が見えます。イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが発見したことから「ガリレオ衛星」と呼ばれ、双眼鏡でも見ることができます(注2)。木星のまわりを公転しているため、時間を置いてみると並び方が変わっていくことにも注目しましょう。

土星は美しい環(わ)を持つ惑星です。太陽系の惑星の中で、小望遠鏡で見事な環を見ることができるのは土星だけです(注3)。大きな望遠鏡になると環の構造や本体の縞模様なども見えてきます。

木星・土星
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地球から見る土星の環は、約15年周期で傾きが変化して見えます。環が最も開いて見えた2017年以降、開き方が年々小さくなっています。2025年には環を真横から見ることになり、たいへん薄い土星の環はこのとき一時的に見えなくなります。次に環が大きく開いて見えるのは2033年頃。このように、環の見せ方を変えていく土星の姿も楽しんでみましょう。

土星の環の傾きの変化
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(参照)暦計算室ウェブサイト国立天文台暦計算室の「こよみの計算 」では、太陽や月、惑星の出入りの時刻や方位などを調べることができます。