水星が東方最大離角(2021年5月)

水星探し、今年いちばんの好機!
水星は、太陽系のいちばん内側を公転している惑星です。このため水星は、見かけの位置が太陽から大きく離れることがありません。水星を見つけやすくなる時期は、太陽からの見かけの位置が離れる「最大離角」前後に限られています。
5月17日に水星は東方最大離角を迎え、この日前後は日の入り直後の西の低空で見つけやすくなります。東京では5日から26日の比較的長期間、日の入り30分後の水星の高度が10度を超えます。特に17日の東方最大離角前後には、日の入り30分後の水星の高度が15度近くに達します。他の地域でも大きな違いはなく、水星を観察できる、今年いちばんのチャンスとなります。

水星よりも空の低い位置には、金星が見えています。13日と14日には、新月直後の細い月が金星、水星の近くに見えます。東方最大離角以降、高度を下げていく水星と、高度を上げていく金星は徐々に近づき、29日には位置関係が入れ替わります。このころの2惑星の日の入り30分後の高度は東京では10度もありませんが、金星を目印にすると、水星を見つけることができるかもしれません。
山や高い建物等で視界が遮られていると、空の低い位置までを見渡すことができません。低空にある水星や金星を見つけるためには、西の空が開けている場所を選びましょう。低空に雲のない、良く晴れた日が観察には最適です。しかし、夕焼けの残るほの明るい空の中に水星を探すのは少し難しいかもしれません。そのような時は、双眼鏡を使うと探しやすくなります。双眼鏡を使う際は太陽を見ないよう、太陽が沈んでから観察を始めるようにしてください。
(参照)暦計算室ウェブサイト:「こよみの計算」では、各地の日の入りの時刻や水星の高度について調べることができます。