金星が最大光度(2020年7月)

明け方の空に輝く金星を見よう
7月に入ると、日の出前の明るくなり始めた東の空に、明るく輝く金星が目にとまるようになってきました。金星は日を追うごとに少しずつ高度を上げ、見やすくなっていきます。加えて、10日には明るさも最大となり(「最大光度」と呼びます)、マイナス4.5等に達します。これは、1等星の100倍以上の明るさです。
このころの金星は大変明るいため、位置が分かれば昼間の空でも見ることができます。日の出前の空で見つけた金星の位置を見失わないようにしていれば、日の出から何時間かたった後でも金星を見つけることができます。挑戦してみましょう。誤って太陽を直接見てしまわないよう十分注意してください。
また、金星は約1年7カ月の周期で満ち欠けを繰り返しています。最大光度の頃の金星を双眼鏡や望遠鏡で観察すると、三日月のように欠けているのがわかります。双眼鏡で金星の形を見るには、カメラ用の三脚などに固定して手ぶれを防ぐとよいでしょう。双眼鏡、望遠鏡で太陽を見るとたいへん危険ですので、日の出前の観察をお勧めします。
金星はこれから8月にかけて高度を上げ、よく目を引くようになります。さらに2020年の末までは、「明けの明星」として金星を楽しむことができます。
(参照)暦計算室ウェブサイト:「今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。こよみ用語解説の天象の項では、最大離角、衝、合、留などの惑星現象の用語について解説しています。