2019年最大の満月(2019年2月)

2019年最大の満月と最小の満月の視直径を比較した図
画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

空高く輝く今年最大の満月を見よう!

2月20日の満月は、2019年で最も大きな満月です。その前日の2月19日、月は18時3分に近地点(注1)を通過し、日付が変わってすぐの2月20日0時54分に満月となります。満月の瞬間の地心距離(注2)は約35万7千キロメートル、視直径(注3)は33分29秒角です。つまり、今年最大の満月は、満月の日である2月20日の夕方に昇ってくる月ではないことに注意しましょう。

また、2019年で最も小さな満月となるのは9月14日です。今年、月が最も地球から離れるのは、2月5日の18時29分ですが、この日は新月です。満月の瞬間と遠地点(注1)通過の時刻が近いのは9月で、月は、9月13日22時32分に遠地点を通過し、9月14日13時33分に満月となります。満月の瞬間の地心距離は約40万6千キロメートル、視直径は29分24秒角です。

二つの満月を実際の夜空に並べて大きさを比べることはできません。比べるものなしに大きさを測ることは簡単ではありませんので、眺めるだけで月の大きさの変化に気づくのは、たいへん難しいでしょう。でも、上の図のように2019年最大の満月と最小の満月を比較すると、大きさの違いがよくわかります。

2019年の月の地心距離と満月の日付を表した図
画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

上の図は月と地球の距離の変化を表しています。なぜ、このように距離が変化するのでしょうか?

月は、地球の周りを公転しています。月の軌道は円形ではなく楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。また、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けてわずかに変化するため、近地点や、遠地点での距離は、上の図のように毎回異なります。満月における地心距離は、およそ35万6千キロメートルから40万7千キロメートルの間で変化します。そして、月の視直径は、地球と月との距離が近いときには大きく、遠いときには小さくなります。最も大きな満月は最も小さな満月に比べて、14パーセント視直径が大きく、30パーセント明るく見えます。

冬の満月は、夏の満月よりも空の高いところを通ります。また、2月19日の月は、日本のほとんどの地域で、満月の瞬間の前後わずか1時間以内に南中します。少しだけ夜更かしして、真夜中の空高く輝く、今年最大の満月を楽しみましょう。

  • (注1)近地点・遠地点:1公転の間で月が地球に最も近づく点を「近地点」地球から最も遠ざかる点を「遠地点」といいます。 本文に戻る
  • (注2)地心距離:地球の中心と天体の中心(この場合は月の中心)の間の距離。本文に戻る
  • (注3)視直径:天体の見かけの大きさ。このページで示している視直径は地心距離に基づいて計算しています。本文に戻る

(参照)暦計算室ウェブサイト今日のほしぞら」では、代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を簡単に調べることができます。暦wiki「大きな満月、小さな満月」には、満月の大きさの変化に関する詳しい説明があります。

「スーパームーン」について

「スーパームーン」という言葉は天文学の用語ではなく、定義もはっきりしません。詳しくはよくある質問の質問2-7)『スーパームーン』ってなに?をご覧ください。

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