今年最大の満月(2017年12月)
様々な月を楽しもう
12月4日の満月は、今年地球に最も近い満月(注1)です。
月は、12月4日に日付が変わったばかりの0時47分に満月となり、その後17時46分に近地点(注2)を通過します。満月のときの地心距離(注3)は約35万8千キロメートル、視直径(注4)は33分22秒角です。なお、翌月の2018年1月2日には、12月4日よりも月がさらに地球に近い距離で満月となります。このときの地心距離は35万7千キロメートル、視直径は33分30秒角です。
月が地球に近いということは、それだけ大きく見えるということです。上の図は、今年最も近い12月4日の満月と、最も遠い6月9日の満月で、月の視直径を比べたイメージ図です。
このように、近い満月と遠い満月を並べて比べると、大きさの違いははっきりとわかります。しかし、実際の空では月はひとつしか見えず、大きさを比べることはできません。比べるものなしに大きさを測ることは簡単ではありませんので、眺めるだけで月の大きさの変化に気づくのは、たいへん難しいでしょう。
月の距離の変化
月は、地球の周りを公転しています。
月の軌道は円形ではなく楕円形をしているため、地球と月との距離は一定ではありません。また、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けてわずかに変化するため、近地点や遠地点での月の地心距離は、上の図のように毎回異なります。満月における地心距離は、およそ35万6千キロメートルから40万6千キロメートルの間で変化します。そして、月の視直径は、地球と月との距離が近いときには大きく、遠いときには小さくなります。最も近い満月は最も遠い満月に比べて、14パーセント視直径が大きく、30パーセント明るく見えます。
近年では、月が地球に近づくと、「スーパームーン」などと呼ばれて話題になっているようです。しかし、三日月、半月、満月と日々形を変えたり、ときには明るい星に接近したりと、月はその時々で違った姿を見せてくれます。折に触れて夜空を見上げ、様々に魅力的な月を楽しんでみませんか。
注1 満月:天文学上の「満月」は、地球の中心から見て、ちょうど太陽とは反対の方向に来た瞬間の月のことをいいます。 本文へ戻る
注2 近地点:月が地球に最も近づく点。最も遠ざかる点を「遠地点」といいます。 本文へ戻る
注3 地心距離:地球の中心と月の中心の間の距離。 本文へ戻る
注4 視直径:天体の見かけの大きさ。このページで示している視直径は地心距離に基づいて計算しています。 本文へ戻る
「スーパームーン」について
「スーパームーン」という言葉は天文学の用語ではなく、定義もはっきりしません。詳しくはよくある質問の質問2-7)『スーパームーン』ってなに?をご覧ください。